何気なく新聞の雑誌広告欄を見ていたら,「月刊現代」(最終号と書いてある)の対談企画として「男たちの魅力『新選組』最高の隊士は誰だ」とあった。
そうだなぁ,いつどんな時でもこの企画は成立するよなと思った。何しろ,激動の時代が生んだ新撰組の華々しさと悲劇性,隊士の面々の途方もない魅力と謎,どれをとっても興味深いからである。
さて,「最高の隊士は誰だ」となると,大方の人は土方歳三をまず挙げるのだろうし,近藤勇,沖田総司なども有力なんだろう。でも僕は,このあまりにも魅力的過ぎる存在(団体)の中で,「最高」は決められないのではないかと思う。不遜な言い方だけど,知れば知るほど決められなくなってくるのが普通だ。
ただ,自分だったらどのタイプに近いのかなということからすると,僕は山南敬助か伊東甲子太郎に近い存在だったのではないかと思う(ビジュアル面は別として。)。数年前の大河ドラマ「新選組」は毎週楽しみに見ていたが,山南敬助の「決断」に至るまでのいきさつや切腹場面は,自分の姿を投影させてみていた。その後に家族と京都旅行に行った時は,当然のように光縁寺の山南敬助の墓参りまでしちゃったのである。
墓参りで思い出したが,僕は2年前の家族旅行で,会津若松などに行き,同市内の阿弥陀寺にある斎藤一の墓参りもぬかりなくやった(墓碑銘は「藤田五郎之墓」だったと思う。)。そう,僕は隊士の追っかけなのである。この斎藤一という人物も極めて謎めいていて興味がある。相当の手練れであり,多くの修羅場をくぐり,その後西南戦争にも従軍している。大河ドラマではオダギリジョーが格好良く斎藤一役をやっていたが,写真を見る限り,実物はフランケンシュタインを少し細くしたような感じである。(続く)