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弁護士ブログ

2009/01/14

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 前回お話しした発表会の後も,ST君と僕は互いに練習にいそしんだ。さて,小学6年生から中学1年生当時の僕の音楽の関心は,やはり圧倒的にショパンのピアノ曲であったことは間違いない。でも,その当時持っていたレコードのことをよくよく思い出してみると,ベートーヴェンの「交響曲第5番(運命)」(ジョージ・セル指揮・クリーヴランド管弦楽団)が確かにあった(何やら黒っぽい雲だらけの中から僅かに光が差し込んでいるような不気味な風景のジャケットだった)。また,演奏者は忘れたが,グリーグの「ペールギュント第1組曲」なんかもあったし,ハンガリー出身のジョルジュ・シフラという高いテクニックを有するピアニスト(「リストの再来」などともいわれていた)が演奏するピアノ小品集(「エリーゼのために」,シューベルトの「軍隊行進曲」などが入っていた)のレコードもあったし,さらに,ジェローム・ローウェンタールというピアニストが演奏するピアノ小品集(モーツァルトの「トルコ行進曲」,ヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」などが入っていた)もあった。だから,必ずしもショパン一辺倒ではなかったのだ。

 

 そんな中で,中学1年生のとき,ちょっとした「事件」が起こった。何がきっかけだったか全く思い出せないが,同じクラスのOM君(イケメンの子だったような記憶)が,僕にビートルズの「レット・イット・ビー」のシングルを貸してくれたのである。この曲を聴いてビックリした。「これがビートルズかぁ・・・」と大きなショックを受け,良い曲だなと,何度も何度も繰り返して聴いた。この時はビートルズに深入りすることはなかったが(後から知ったことだが,この時は既にビートルズのメンバーも互いに心が離れ,解散直前だった。「レット・イット・ビー(なるようになるさ)」という歌詞も象徴的である。),僕がビートルズ熱にうなされ始めたのは,後年,大学受験生の時だったし,大学生になってからはこれが一挙に爆発することになる。

 

 このあたりで,どうしても中学時代の大親友だったFS君のことに触れなければならない。このころ,FS君は僕に「コンサートのチケットあるんだけど,行かない?」と誘ってくれ,一緒に行ったことがあった。それは,アルフレート・ブレンデルのピアノリサイタルで,確かベートーヴェンのピアノソナタ中心のプログラムであった。良いリサイタルであったし,その後ブレンデルというピアニストがあれほど有名になるとは思っていなかった。このFS君は本当に心を許し合える大親友だったが,誠に残念ながら昨年病気で亡くなった。奥様からの電話でその訃報に接した時は全く信じられず,その場で絶句した。お悔やみに伺った時,彼が生前,自分の家族に僕のことをしょっちゅう話してくれていたということを聞かされ,思わず二度も嗚咽してしまった。彼のことは一生忘れられないし,また別の機会に触れることがあるかもしれない。心からご冥福をお祈りします。

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