土曜日の川崎フロンターレ戦での名古屋グランパスのパフォーマンスである。あぁ,グランパスくん,そりゃ,だめだわ。僕は期待してテレビ観戦していた。でも,解説者が何度も言っていたように,「ボールの取られ方が悪」すぎた。それに何でもっと積極的にボールに向かっていけないのだろう・・・・。唖然としたのは,最終ラインのDFから味方の守備的MFへの極めて緩慢なパス。相手選手に「どうぞ,インターセプトしてください」とでも言っているようだった。案の定,見事にインターセプトされ,たちまち危機に陥っていた。2点目の失点はセットプレーからのものだが,DFの自分の方にボールが来ているのに,体を張ってそのボールに向かっていけず,目の前で簡単にワンタッチで相手選手にゴールを決められていた(泣)。
グランパスのファンのうち,心臓に持病を抱えている人は観戦しない方がよい。ハラハラ,ドキドキさせられるので,心臓に良くない。ハラハラさせられるだけでなく,実際にゴールされているんだもん(また泣)。幸い僕は心臓に持病はなく,今年は競技場に足を運んで観戦に行こうと思っていたが,萎えてしまった。
攻撃的なサッカーはいいけど,ノーガードに近いのでは,何かなぁ・・。解説者も言っていたけど,攻撃陣があまりにも相手選手に近づき過ぎて,スペースを上手く使えていない。「前がかり」というやつだ。逆に,「前がかり」過ぎると,一旦ロングボールをグランパスのDF前に放り込まれると,たちまち相手に数的優位を作られ,決定機を与えてしまう。心臓に悪いのよ!それに,これは言っても詮無いことであるし,失礼ではあると思うけど,DFの選手が小粒で,高いボールの競り合いにことごとく負けてしまっていた。
実は前半32分の段階でテレビを消してしまった。あとのプレーは見ていない。いたたまれなかったのよ。さあ,それにしても,前にもブログで触れたが,監督に必要な資質,能力は,負けず嫌いの性格だけでなく,学習能力・修正能力である。確かに攻撃的サッカーはいい。魅力的である。でも,守ることも出来てなんぼでしょう。それで思い出すのは,アーセン・ベンゲル監督時代のことである。ベンゲル監督といえばその手腕と能力には定評があり,イングランドのプレミアリーグでは名門アーセナルを率いての実績も十分である。そのベンゲル監督もグランパスに着任して早々は,連敗街道を進み悲惨な出だしであった。DFラインを押し上げてコンパクトで攻撃的なサッカーを目指していたのは良かった。でもその当時の賢いDFであったトーレス選手らとの話し合いで,そういうサッカーを目指すのであれば,前線,中盤での厳しいチェック(相手選手にプレッシャーをかけること)をして,ボールを相手のいいように前線に運ばせないことが必要不可欠だという結論に達し,それを実践するようになってからは快進撃が始まったと記憶している。見事に学習,修正したのですよ。
そうなんです。DFラインを上げてコンパクトで攻撃的なサッカーをするからには,前線,中盤での厳しいチェックをすることが前提になっているんです。それもせずに「前がかり」になり,相手にロングボールをDF前に自由に放り込まれでもしたら,自陣ではたちまち数的優位を作られてアウトなんでしょう。ノーガードになっちゃって,心臓に悪すぎるのです(笑)。お願いですから,厳しいチェックをしてください。「人の嫌がることをしてはいけない」というのは,人倫の大本,人の道(道徳)であり,競技場を出たら一個の人間としてそうしなければなりませんが,サッカーという競技をしている最中は,「人の嫌がること」(厳しいチェックをすること)をしなけりゃなりません。プレスをかけるんですよ。
確かに川崎フロンターレは前年のシーズンでは年間2位の成績であり,18チーム中得点総数が最も多かった攻撃的なチームだ。だからといって,このチームだけが攻撃力をもっている訳ではなく,他のチームだって相当の攻撃力はある。土曜日の試合だけが特別だったなんて言い訳はしないだろうが,是非とも,学習能力・修正能力を発揮して,あのような心臓に悪い試合は繰り返して欲しくない。頼むよー。グランパスくん,愛のムチだからねー。お願いねー(笑)。