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弁護士ブログ

2009/04/28

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 少し前まで(今も?),お笑い芸人のだいたひかるが「あたしだけ?」というネタでがんばっていたが,こんな風に思うのは僕だけかと不安になることがある。それは,一部の人間による傍若無人な自転車の運転方法に対する恐怖と怒りである。僕は,種田山頭火のように歩くのが好きなのに,傍若無人な運転方法で自転車に乗っている一部の不心得者(以下「彼ら」という。)のために,安心して歩行ができないのである。少なくとも何となく気ぜわしくなるのである。

 

 今月13日にも,千葉県船橋市で,無灯火の自転車に乗り,前をよく見ていなかった男子高校生が横断歩道を渡っていた63歳の会社員に衝突させ,死亡させている。自転車といえども乗り方によっては殺傷能力がある。警察庁の統計によると,平成20年度に自転車同士あるいは自転車対歩行者の間で発生した事故件数は合計7264件である。でもこれは警察統計に上がった件数であり,全国のあちこちで大なり小なり発生している自転車がらみの事故の実数はかなりの件数であることが推測できる。

 

 道路交通法上は,自転車は「自転車及び歩行者専用の標識」がある場所あるいは一定の例外を除いて,車道通行が原則になっており,しかも歩道を通行するときも,自転車は車道寄りの部分を徐行しなければならないし,歩行者(当然,種田山頭火のように歩いている僕も含まれている。)の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならず,さらに歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければならないことになっている。

 

 で,でも・・・・・・。現実に街角の至る所で目にする光景はというと・・・。彼らは歩行者が比較的多い場所でもすごいスピードですり抜けるように走行しているし,歩行者とすれ違うにはすこし狭い幅員の場所でも停止しようとしない(換言すれば歩行者が道を譲らなければ「衝突」という事態が発生する),さらに信号が変わろうとする直前,彼らは何とか道路を渡りきろうとして従前にも増してスピードを上げ,周囲の状況が目に入らない「視野」になっているし,挙げ句はメールを打ったり通話しながらの走行も珍しくない。街角で,猛スピードで自転車を走行させている彼らを見る時,あんなスピードで不測の事態に対応できるのかと思う。幼児が不意に列からはみ出すかもしれないし,老人がよろけることもあるかもしれない。そして,路地から歩行者が出てくることがあるかもしれないのだ。彼らの猛スピードの自転車と人とが衝突したらどうなるのよ。そんな風に思うのは「あたしだけ?」。彼らには,危険予知能力を含む想像力をたくましくして欲しいし,何よりも歩行者(当然,種田山頭火のように歩いている僕も含まれている。)を思いやるメンタリティーを期待したい。

 

 くどくなってしまうが,僕が腹に据えかねているのは,彼らの自転車の乗り方なのである。もちろん自転車は本当に有用な乗り物だし,僕だって乗ることもある。また,自転車に乗っている人の中には,自転車版の「江戸しぐさ」,「往来しぐさ」を実践している好感のもてる人たちもいる。人間にとって有用な物だけに,どうせ乗るならこういう人たちのように乗ってよ。

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