「いい大人が」と言われそうで恥ずかしいのだけれど,告白する・・・・・。「ぜんまいざむらい」が非常に好きになってしまったのだ。これはNHK教育テレビでやっている10分番組のアニメ。ぜんまいざむらいの全てがいい(笑)。
ぜんまいざむらいのあらすじや,登場キャラクターなどの詳細は,ウィキペディアに過不足なく書かれているので,それを参照してもらいたい。それに,ぜんまいざむらいの魅力は,何よりも実際にこの番組を見てみなければ分からないであろう。見てくれも可愛くて癒されるし(袴のつぎはぎも魅力的),「必笑だんご剣」を使って悪人や争いごとをしている人,元気のない人などにだんごを食べさせ,改心させたり,和解させたり,勇気づけたりするのである。ぜんまいざむらいは,「善いこと」をすると頭のぜんまいが巻かれて命が延び,「108の善いことをすると人間に戻れる」との言葉を信じて今日も善行を積んでいく。
「拙者」,「・・・でござる」を連発する豆丸も欠かせない登場人物(おねしょ癖はあるが・・・)。ずきんちゃんも非常に可愛い(ずきんちゃんは,年上の人には律儀に「ぜんまい様」とか「なめざえもん様」というように「様」を付ける)。ぜんまいざむらいのライバルともいうべき,なめざえもんも憎めない。
オープニングテーマにも勇気づけられる面がある。歌詞の一部を引用すると,「ぜんぜんぜんまいまわるかぎり この世をうんと楽しもう お日さましずんでもお月さまはでてくる これはぜいたくパラダイス ぜんまいざむらい今日もキリッとまいります ぜんぜんいくさにゃむいてないけど 一日一善でぜんまい巻き上がる これはぜいたくパラダイス」という感じ。特に「ぜんまいざむらい今日もキリッとまいります」のフレーズが好きで,自分で自分を何とか激励しているか,激励されている感じがする。知らぬ間に自分の人生をぜんまいざむらいに投影させてしまうのである。僕は昔から,NHK教育テレビの子供向け番組の愛好者でもあった。少し前までは,「ざわざわ森のがんこちゃん」なんかが好きだった。でも,「がんこちゃん」もそうだし,僕が完全に惚れきってしまっている「ぜんまいざむらい」だって,子供向けとはいえ,設定や脚本,セリフを含めた話の展開などは非常に完成度が高いと思う。複数の脚本家がいて,回によっては,アレッ?というような安直な展開もあるが・・・。その他に好きな理由としては,僕はもともとさむらい言葉が好きだということもあるし,確かに明治維新は日本の近代化のためには偉大な出来事であったが,その前に存在した「逝きし世の面影」を残す,愛すべき文明(江戸文化など)に対する憧れがあるという点も指摘できる。
とうとう,ぜんまいざむらいのDVDまで購入してしまった。毎日10分間だけでは物足りなく,ぜんまいざむらいの世界にどっぷりとつかりたいと思ったからである。昨日のブログでは,連休中の東京旅行が充実したものになったと述べたが,東京駅八重洲地下にあるNHKキャラクターグッズの店で,ぜんまいざむらいの弁当箱を買えたこともその理由の一つである。標準体重を僅かながら超えそうになっているので,当分の間はダイエットのために,ぜんまいざむらいの弁当箱で昼飯を食べることにする(笑)。
バッハの不朽の傑作といえば,何をおいても「マタイ受難曲」と「ミサ曲ロ短調」の2つが思い浮かぶ。このうち「ミサ曲ロ短調」については,バッハが自らの死の直前までその楽譜に手を加えていたということからすれば,畢生の大作といえるのは「ミサ曲ロ短調」ではなかろうか。この曲を,ミシェル・コルボ指揮,ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルが演奏してくれるというので,この連休中に東京まで足を運んだ。
これは,ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(「熱狂の日」)音楽祭2009のプログラムの一つで,有楽町の東京国際フォーラムなどで行われた。僕がワクワクしながら鑑賞したのは5月4日(月)午後9時15分から開演のものだった。ミシェル・コルボ指揮の演奏は,テンポは全体的に早めであったが,聴衆の魂の奥底に訴えかけるような,そして真摯な,とても素晴らしい演奏であった。終曲のドナ・ノヴィス・パーチェムを聴き終えた時はとても感動し,充たされた。
今回のこの「熱狂の日」のテーマは「バッハとヨーロッパ」というもので,バッハ作品が幅広く鑑賞できる。来年のテーマは「ショパン」ということだ。2010年は,ショパンが生まれて200年経つからであろう。来年も楽しみなことである。
さて,東京行きが決まった時,僕としては,東京駅八重洲中央口地下の旭川ラーメン「番外地」の塩バターコーンラーメンがまた食べられることを,これまた楽しみにしていた。と,ところが・・・・。5月2日から数日間,店内改装工事のために休業の貼り紙がしてあった。あー,東京行きの楽しみの25%程度がもろくも崩れ去った。
「ミサ曲ロ短調」の感動から一夜明けた翌日,今度は「落語だぁー」と思って鈴本演芸場まで出かけた。と,ところが・・・・。薄々感じてはいたのだが,連休中ということで,前売りは全席完売,当日券があるにはあるが,「立ち見」ということで,これも断腸の思いで断念せざるを得なかった。あー,これで東京行きの楽しみの20%程度がもろくも崩れ去った。気を取り直して,今度は渋谷道玄坂の名曲喫茶「ライオン」まで出かけた。ここだけは僕の期待を裏切らない。昔ながらの雰囲気で僕を迎え入れてくれた。本を読みながら名曲を聴き,とても静かな時間を過ごした。ただ,この喫茶は客からのリクエスト曲をかけたりするのだが,僕がいた時間帯には,どうやらオールドファンからのリクエストがあったらしく,ジャック・ティボーのバイオリン,アルフレッド・コルトーのピアノ演奏による,ベートーヴェンの「クロイツェルソナタ」が蓄音機でかけられていた。店員さんが何回も何回も手巻きぜんまいを巻きながら,苦労してレコードをかけていた。
あとは,靖国神社,遊就館にも行って来たし,銀座山野楽器で前から欲しかったバッハ関係のDVDも手に入れた。一泊二日の短期旅行にしては,まあまあ充実した旅となった。