名古屋グランパスは土曜日のホームでの千葉戦に0-1で敗れた。シュートは16本も打っているけど,ゴールの予感すらないものがほとんど。実はこのような戦い方がここ数試合ずっと続いている。この千葉戦は確かにケガや出場停止で必ずしもベストメンバーで臨んだ訳ではないかもしれないが,そういうことを差し引いたとしても,仮に勝っていても勝利には値しない戦いぶりである。
ストイコヴィッチ監督は,この試合後のコメントでディフェンスや中盤はよくやっている,攻撃陣がもっと奮起せよと述べている。でも,恐れながらちょっと違うような気がする。例えば鹿島アントラーズの戦いぶりと比較してみても明らかなように,中盤が機能しているかどうかが決定的な差となっている。グランパスの試合を観ていても,実況や解説者からは「中盤ができていない」などと言われるように,中盤でのパスミス,ボールキープ力不足,パスワーク不良,苦し紛れのバックパスないし前線への放り込み,ルーズボールへの対応の遅さなどが目立つのである。また,「ディフェンスはよくやっていた」といっても,それは中盤を相手方に制圧されて押し込まれていたからディフェンスが忙しかったというのが実情であろう。
強いチームは何よりも中盤がしっかりしている。平成8年ころの強いグランパスは中盤がしっかりしていた。このブログを書いている今日,グランパスのフロントがオーストラリア代表FWのジョシュア・ケネディとの入団交渉を成功させ,獲得したとの情報に接した。確かにFWのケネディは身長194センチでハイボールの競り合いには強いし,ポストプレーも十分に期待でき,強力な助っ人にはなろう。FW陣のうちダヴィ,玉田,ケネディをどのように使っていくのかは分からないが,いずれにしても彼ら攻撃陣が得点を量産するにもそれを下支えし,お膳立てをすべき中盤が機能していることが前提であると思う(「もう,あちきは,個人技だけに頼る戦法をとるでやんすよー。」というのであれば話は別だが。)。
中盤が機能していないのであれば,どのようにして機能するようにしていくかを考え,工夫し,実践させていくのが監督の役割であり,学習能力,修正能力が要求されるのである。今は監督としての正念場ではなかろうか。
ジャイアンツの方は今のところはあまり心配していないが,グランパスの方は最近では新聞の順位表に目をやらなくなってしまった。でも心の中では応援しているのだ。プロ意識をもっと前面に出してぜひとも頑張って欲しい。