かみちよねーさんというのは,このブログでも一、二度取り上げているのだが,ぜんまいざむらいに出てくるキャラクターである。僕はとても好きである(笑)。
ぜんまいざむらいに出てくる女性のキャラクターというのは,あまり色気は感じないんだけど,このかみちよねーさんだけは別である。だんご屋おばば,ずきんちゃん,わたあめひめなどは,ほとんど三頭身に近いけど,かみちよねーさんだけは他の町人と同様,ちゃんとした大人の頭身であるし,何よりも妖艶である。
かみちよねーさんの出自や経歴などは全くナゾに包まれたままだ(ただ,かつて女忍者に憧れていたという時期があったようで,鋭い手裏剣を投げるシーンは目にした)。出自等がナゾに包まれ,江戸で暮らしていた人間で非常に色っぽい女性というと,どういうわけか,かつて近藤勇と並んで新撰組局長だった芹沢鴨と倫ならぬ仲だった「お梅」を連想したが,よく考えてみると「お梅」ほど世間ずれしてはいないし,それほど生活臭やしたたかさも感じない。・・・・・・かみちよねーさんはやはりかみちよねーさんなのである。
ある回のお話では,だんご屋おばばが,ぜんまいざむらいや豆丸の前で調子に乗って悩殺ポーズをしている際に,ギックリ腰になってその日の店の切り盛りができなくなり,うつ伏せで寝込んだ(僕は朝っぱらからこの悩殺ポーズは見たくない)。そこへ通りかかったかみちよねーさんが,一日だけだんご屋を手伝い,見事にだんごを完売して貢献したことがあった。おばばがとても感謝して,別れ際にかみちよねーさんに報酬を渡そうとしたが,かみちよねーさんはおばばが用意した報酬そのものを辞退して颯爽と去って行った。
僕がかみちよねーさんを好きなのは,その容貌だけでなく,こういう,粋でいなせな洗練された生き方,優しさにも魅力的を感じるからなのである。