ジャイアンツは無事にセ・リーグ三連覇を達成したが,僕が小学生から高校生にかけて達成されたジャイアンツのV9を支えた名二塁手土井正三さんが先日亡くなった。背番号は6。しぶといバッターでバントも上手く,「いぶし銀」といった感じの選手だった。当時の記憶に残るオーダーとしては,1番センター柴田,2番セカンド土井,3番ファースト王,4番サード長嶋,5番レフト末次,6番ライト国松,7番キャッチャー森,8番ショート黒江,9番ピッチャー○○というオーダー。ピッチャーも錚々たるメンバーだったが,僕が特に好きだったのは先発は城之内投手,リリーフ・ストッパーは「8時半の男」といわれた宮田投手である。とにかく,先日鬼籍に入られた土井選手は,ジャイアンツのV9を支えた戦士だった。心からご冥福をお祈りします。
その土井さんに関する読売新聞の記事の中で,長嶋茂雄さんのエピソードに触れられていた。土井さんが亡くなる2週間ほど前に長嶋さんが病床にあった土井さんを見舞った。土井さんは最初は夢だと思っていたようだけど,長嶋さんが「おい土井!夢じゃないよ!オレだよ。」と声をかけた時は,土井さんは涙を浮かべて喜んだとのこと。また,その2年ほど前に,巨人軍通算5000勝記念のOB戦に長嶋さんも臨み,土井さんもその病床から車いすで東京ドームを訪れた。その控え室で,長嶋さんは,名女優オードリー・ヘプバーンの豪華写真集を土井さんにプレゼントしたとのこと。というのも,土井さんは,自分のみる夢に出てくるほどのヘプバーンの大ファンだったからだそうだ。
こういうエピソードに触れるにつけても,長嶋さんという人は本当に優しい人柄だと思う。優しい大人。
サウイフ モノニ ワタシハ ナリタイ(宮沢賢治風)