・・・・・・ふぅーーーっ,・・・・・とうとう風邪をひいてしまった。幸い,新型・季節性いずれのインフルエンザでもなかったけど。風邪をひくのは久し振りである。今までの自分の人生を振り返ってみて,風邪を引くときは,たいてい,抵抗力が弱っている時である。不摂生(暴飲,暴食,夜更かし),過労,ストレスなどが原因で,全体的に抵抗力が弱っている時に風邪をひく。
そういえば,いろいろなお付き合いもあって,確かにここのところ不摂生をしたし,仕事に追われている自分があったし,さらに僕を凹ませたのは初めての体験となる税務調査である。熱を出して床に伏せっている時,いろんなことを思った。反省と,慰めである。
まず,反省。自宅での食事の後,食器等の後片付けで,うちのかみさんと物の受け渡しをする際,手と手が触れた。それで大分昔のことを想い出したのである。僕がもっと若い頃,同じような状況の時にかみさんの手がスベスベ,ツヤツヤでなかったことから「ゾウさんの肌みたいだなぁ」と言ってしまったのだ。その当時はコマーシャルで見るパーツモデルのような手であることを期待していたのかもしれないが,今から思えば随分と心ないことを言ったと反省している。うちのかみさんの普段のきっちりとした家事の状況を見ていると,きっちりと家事をしているからこそ,「ゾウさんの肌」みたいな手ざわりになるのだろう。むしろ,パーツモデルのような手の人はちゃんと家事をこなしているのだろうかという疑問もあるくらいだ。微熱の中,昔の心ない発言を悔い,反省した。
次に,慰め。寒気と微熱の床の中で慰めを与えてくれたのは,やはりバッハであった。モテット「イエス,わが喜び」というのは本当に佳い曲である。僕はキリスト者ではないが,とても慰められた(税務調査のことも吹っ飛んだ。)。モテットというのは,声楽曲のジャンルの一つで,ミサ曲以外のポリフォニーの宗教曲のことである。バッハのこの「イエス,わが喜び」はモテットの中でも規模が大きく,全部で11曲から成っている。奇数楽章にコラール,偶数楽章に聖書の章句が配置されている。・・・・・慰められた。