昨日,裁判所での仕事を終えて事務所まで歩いて帰る途中に,ちょっと損したような感じのする出来事があった。いや,何のことはないのだが,反対側から歩いてくる中年の男性が僕に愛想良く挨拶してきたので,僕も愛想良く挨拶し返したところ,実はその人は僕の後方で車の中にいた人に挨拶をしていたのである。要するに勘違いしてしまったのだ。愛想良く挨拶したのが損したような・・・,きまりが悪かった・・・・・。これって何か古典にあったなと思って調べたら,清少納言の枕草子第122段「はしたなきもの」にあった。「はしたなきもの こと人を呼ぶに、我ぞとさし出でたる。(きまりの悪いもの。他の人を呼ぶときに、自分だと思って出ていった場合。)」とあった。正にこれだった。挨拶して損などはないが,それでも何か損したような。
ついでに損といえば,コーンポタージュスープである。先日はとても忙しい一日で,裁判所から次の法律相談の会場まで車で直行し,まともに昼食をとる時間がなかった。コンビニでサンドイッチと暖められた缶入りのコーンポタージュスープを買って食べた。でも,この缶入りのコーンポタージュスープの場合,いつもコーンの何粒かは確実に損したような気になるし,実際に損している。何をどうやっても何粒かは缶の内部に残ってしまうのである。さらについでに損と言えば,先日はゴルフ場の茶店で暖められた缶入りのおしるこを味わった。ゴルフのスコアはともかくとして,寒い季節にこのようにして飲むおしるこは結構美味しい。でも,これについても小豆の何粒かは確実に損したような気になるし,実際に損している。何をどうやっても小豆の何粒かは缶の内部に残ってしまうのである。人前で缶の底をトントンとたたき,何としてでも全ての小豆をものにしようとする行為ははしたないし・・・。我が日本国は物作りでは世界に冠たるものがある。コーンも小豆も1粒たりとも損しないような画期的商品が開発されるよう,心から期待してやまない。