少しばかり仕事がたまってしまい,きのうの日曜日も事務所で仕事となってしまった。自宅から歩いて事務所に向かう途中,春には見事な花を咲かせる,ある小学校の桜の木のそばを通りかかった。僕は木の前で立ち止まり,蝉はどうしているかその姿を探した。
よーく見ると,蝉が何本かの木に止まっていたが,それらの蝉はもう鳴いておらず,じっとして動かないか,少し動いても今にも木から落ちそうで,全く力のない動きをしていた。この世に生を受け,地中で長時間を過ごし,最後の数週間で思い残すことはないほど力一杯鳴き,その最期を迎えようとしているのであろう。何かしら厳粛な雰囲気がそれらの蝉を支配しており,蝉からは「今日という日はもう二度と還ってはこない。悔いのないように過ごせ。」とでも言われているような気がした。晩夏である。田舎の高原では赤とんぼが飛び交っているのだろうか。
先日テレビを見ていたら,軽井沢かどこかで,鳩山由紀夫,小沢一郎,輿石東,山岡賢次などといった面々が集まって乾杯し,何やら気勢を上げていた。9月の民主党代表選で小沢一郎という人の出馬が取りざたされており,茶坊主のような顔の山岡という人が小沢という人の出馬に向けて積極的に動いているらしい。あれほどまでに首相としての資質・能力の無さを満天下にさらした鳩山という人らとの連携も目指しているようだ。小沢氏が代表になったら,彼が首相になるということなんですか?国民が本当にそれを望んでいると思っているのだろうか。彼が鳩山氏と同時に引責的に代表を辞任した時と現在とで,状況的に何が変わったというのだろうか。一方,菅直人という首相は,これはこれで本来の仕事そっちのけで代表選ばかりを心配している。この人は首相に就任以来,この国のために一体全体どんな仕事をしたというのだろうか。百害あって一利なしの「談話」を出したことだけが記憶に残っている。
こういう人たちは,党内の権力闘争のみに血道を上げ,国家や国民の現在及び将来のことは何も考えていない。国家観も将来のビジョンも全くない。民主党など唾棄すべき存在ではなかろうか。こういった政治状況は,晩夏というか,政治の閉塞というか,日本沈没というか,何とも言いようのない段階に来ている。最終的には,日本の良き伝統,文化を堅持すべく,国民一人一人がよく勉強をして,よく考えて,本当の意味での選良を生み出すしかない。