大久保「ねぇ,西郷ちゃん。ようやく涼しくなり始めたね。それはそれでまた酒が美味しいね。」
西 郷「うん,何がどうなったって酒は美味いね。それにしてもねぇ,民主党が究極の選択みたいな,全く不毛な代表選挙をやっている間に,尖閣諸島の海域でまた中国が問題を起こしてるぞ。日本の領海内に中国漁船が勝手に入り込んで来て,わが日本の海上保安庁の巡視船に二度も体当たりを食らわせやがった。明らかに公務執行妨害の犯罪だ。」
大久保「ところがどっこい,中国のマスメディアは不法にぶつけてきたのは海上保安庁の巡視船の方だなんていう,明らかなウソの報道をしているんだろう。しかも中国政府は,自国には全く非はない,即時に船長を含む船員全員と漁船を返せとメチャクチャなことは言うは,日本の大使を5回も呼び出し,呼び出しが深夜という非常識な時間帯の時もあったというじゃないか。外交上は全く考えられない非礼な行為だよ。」
西 郷「うーん,中国の日本大使館周辺ではデモなんかの不穏な動きがあるらしいし,実際に広州市の日本総領事館じゃ外壁にビール瓶が投げつけられたようだ。天津市の日本人学校には金属球が投げつけられたりしている。産経新聞を読んでたら,こういう日本人への嫌がらせが既に30件発生している。」
大久保「中国のネット上じゃ,『原爆を落としてやれ』とか『ミサイルを打ち込め』なんていうコメントもあるらしい。」
西 郷「1994年ころから始まった愛国教育,反日教育の成果が確実に出てるな。こういう状況を見聞きしてつくづく思うんだよ・・・」
大久保「何を?」
西 郷「もう21世紀になったんだけど,今の中国人はやはり義和団事変の時の義和団やこれに付和雷同した民衆,あとは魯迅の小説に出てくる『阿Q』のメンタリティーとあまり変わらないなと思うんだよ。」
大久保「・・・つまみがなくなった。俺は得意のじゃこおろしとだし巻き玉子注文するけど,お前は何食べる?」
西 郷「(店員さんに対し)すいませぇーん!・・・・・じゃこおろしとぉ,だし巻き玉子とぉ,コーンバターとぉ,串カツ2人前とぉ,生中2つお願いします!」
大久保「俺まだ生ビール残ってるし・・」
西 郷「つべこべ言うな。もっと飲め。」
大久保「それにしても,つまみはカロリー的にはお前の方が高いな。」
西 郷「お前だって,結局はいつも俺の串カツ盗み食いするだろ。だから最終的には同じくらいの摂取カロリーに行き着くのだ。はっはっは。・・・それよりな,尖閣諸島領有権問題については日本人はこの際もっとよく勉強しなきゃならんだろ。」
大久保「おぅ,俺もそう思う。インターネットのウィキペディアで『尖閣諸島領有権問題』ってキーワードを入れて検索すると,この問題の要点がよくまとまってるようだ。俺はまだじっくりとは読んでないが。」
西 郷「尖閣諸島はわが国の沖縄県石垣市の一部なんだ。国際法上も日本が領有権をもっていることは間違いのないことだ。そもそも台湾や中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのはいつだか知ってるか?」
大久保「・・・さあ・・・」
西 郷「じゃこおろし食ってるヒマがあったら,もっとよく勉強しろ。台湾は1971年6月,中国は同じ年の12月になってはじめて領有権を言い出したんだ。お前,なぜだかわかる?」
大久保「・・・何となく思うんだけど,本日のお前は性格悪い・・。早く言え!」
西 郷「1969年と70年に国連の海洋調査が行われたんだけど,その調査の結果,推定で1095億バレルくらいの大量の石油,これはイラクの石油埋蔵量に匹敵するんだが,これがこの海域に存在することが確実という報告だったんだ。これからだよ,彼らが領有権を言い出したのは。」
大久保「今回の問題では日本は毅然とした態度を示さにゃならんが,その前提として,こういう歴史的な,政治的な背景事情をよく理解してないといけないんですね,西郷先生。」
西 郷「うん,分かればよろしい。・・・生徒,もう一杯飲むぞ。」
大久保「はい,先生。」