とりわけ民主党政権の内部に巣くっており,精神的なバックボーンを構成していると思われるのは,いわゆる自虐的な東京裁判史観なのではないかと思う。官邸内で様々なことを画策している仙石由人などといった反日的,確信左翼的存在を目の当たりにする時,特にその感を強くする。また,中国がいつも外交カードとして切り出す日本政府要人の靖国神社参拝問題も,「A級戦犯」の合祀がその根底にあるため,この東京裁判なるものとは切っても切り離せないのである。
そこで,日本国民の皆さんはそれぞれ,会社員,主婦,自営業,農漁業,学生など様々の立場でご多忙かと存ずるが,できるだけ時間を作って,このあたりでもう一度,東京裁判のことについて勉強してみる必要があると思われるが,いかがでありましょうか。
このたび,「世界がさばく東京裁判-85人の外国人識者が語る連合国批判」(明成社,佐藤和男監修)という本を読み終えた。パウロじゃないけど,目からうろこが落ちた。心ある世界中の識者がその当時,あるいはその後に,東京裁判の欺瞞性を鋭く指弾していたのである。東京裁判を実行する極東国際軍事裁判法廷の設置は「極東国際軍事裁判所条例」に基づくというが,そのような条例は国際法上は全く存在根拠を欠くものである。また,「平和に対する罪」などはその当時付け焼き刃に作られたもので,事後法によって処罰されることを禁止する刑罰不遡及の原則に明らかに反している。また東京裁判で展開された不戦条約(ケロッグ-ブリアン条約)の法的解釈も無理がある。
要するに,この東京裁判なるものは,GHQを中心とした勢力が,いわゆるWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の一環として日本国民を二度と刃向かわせないようにするための「ロボトミー手術」のようなものだった。徹底的に自虐史観を植え付けるためのものだったのである。
この本の中から,印象的な一節を引用して,今日のブログはおしまい,おしまい。
「・・・日本人に損害をうけて怒りにもえる偏見に満ちた連合国民の法廷で裁くのは、むしろ偽善的である。とにかく、戦争を国策の手段とした罪などは、戦後につくりだされたものであり、リンチ裁判用の事後法としか思えなかった。」(99~100頁,GHQ対敵情報部長エリオット・ソープ准将)
「この裁判は歴史上最悪の偽善だった。こんな裁判が行われたので、自分の息子には軍人になることを禁じるつもりだ。[なぜ東京裁判に不信感を持ったかと言えば]日本が置かれていた状況と同じ状況に置かれたならば、アメリカも日本と同様戦争に訴えたに違いないと思うからである。」(79~80頁,GHQ参謀第二部部長C・A・ウィロビー将軍)
「被害を受けた国が、敵国国民にたいして刑事裁判権を行使することは、犯罪者側の国民からは、正義というよりはむしろ復讐であると考えられ、したがって将来の平和保障の最善策ではない、ということである。戦争犯罪人の処罰は、国際正義の行為であるべきものであって、復讐にたいする渇望を満たすものであってはならない。戦敗国だけが自己の国民を国際裁判所に引き渡して戦争犯罪にたいする処罰を受けさせなければならないというのは、国際正義の観念に合致しないものである。戦勝国もまた戦争法規に違反した自国の国民にたいする裁判権を独立公平な国際裁判所に進んで引き渡す用意があって然るべきである。」(76頁,カリフォルニア大学教授ハンス・ケルゼン)
「極東国際軍事裁判所は、裁判所の設立者から法を与えられたのであり、申立人の権利を国際法に基づいて審査できる自由かつ独立の裁判所ではなかった。それ故に、パール判事が述べたように、同裁判所は司法的な法廷ではなかった。それは、政治権力の道具に過ぎなかった。」(64~65頁,アメリカ連邦最高裁判所判事W・O・ダグラス)