昨日は東京出張であった。僕の東京出張ネタはいつも同じだなと思われるだろうけど,昨日の出来事について書いてみたい。
午前8時10分発の新幹線のぞみで東京へ。10時少し前に東京駅に着いた後は,東京地方裁判所へ向かうために,地下鉄丸の内線で霞ヶ関へ向かおうとしたところ,乗り換え口で外に出られないことに気付いた。新幹線の改札口でチケットを取り忘れていたのだ。外に出してもらおうと,僕は若い駅員さんに事情を話した。少し嫌みな対応ではあったが,何とか外に出してもらえた。
東京地方裁判所での用事は,最終的には午前11時40分ころに終了。その他には東京での用事はない。お昼少し前に解放されるという理想的な時間運びだったため,僕は迷わず当然のように,旭川ラーメン「番外地」に直行し,これまた当然のように塩バターコーンラーメンを注文した。相変わらず美味しい。食べながらつくづく思ったのは,「何とか生きていれば,こういうご褒美があるんだなー。」ということだった。混み合っている店だから当然に「ご相席」となるが,常連客と思しき人ばかりで,どの人も本当に美味しそうに食べている。昔は「へぃ,いらっしゃい,何にしましょう。」との決まり文句で注文を聞いていた特徴のある声のお兄さんは,もう接客はしていないようであったが,厨房の奥からはその懐かしい声が聞こえてきたので,彼はいよいよラーメン作りを任されるまでになったのであろう。
その後は,迷いに迷ったが,結局は魔が差して「鈴本演芸場」の方へ足が向いてしまった。三遊亭歌武蔵という落語家の名前は初めて聞いたが,どうやら昔は相撲取りだったらしく,元横綱武蔵丸の兄弟子だったということである。顔は大リーガーの松井秀喜に似ており,体重は128キログラムで,珍しいことに現役時代より太ったらしい。でも話は非常に面白い。腹を抱えて笑ってしまった。この人は古典落語というより,相撲ネタなどを中心に現代ネタで勝負していくのだろうが,話術が巧みで人を笑わせる才能が豊かであると思った。僕の近くにいたご婦人(かなりの美人)も,思わず声を上げて笑っておられ,美人というのはその笑い声まで美しいなと妙に感心した。漫才のすず風にゃん子・金魚もおもしろかった。彼女らの芸を見るのはこれで2回目であり,金魚の方のゴリラの真似などは,もう完全に女というものを捨てているかのようであるし,名人芸とも呼べるものである。落語の林家しん平の時は,のどが渇いてきたこともあるし,お茶を飲みながら外のイスに腰掛けて聞いていた。彼の甲高い声や語り口は少しばかり苦手である。いずれにしても,最近笑ってないな,笑いたいなと思ったら,たまには落語などもいい。
帰りの新幹線の車中では,いつものとおり崎陽軒のシウマイ弁当とエビスビールであった。返す返すも残念だったのは,3つくらい離れた座席に座っていた外国人の母子が非常にうるさかったことである。もっと近い席にいた人は閉口していたであろう。心中察するに余る。自分の子供に公衆マナーの躾ができていないばかりか,母親自身がうるさかった。この母親も子供の時に躾けられていないのであろう。