落ち葉の舞い上がる季節だが,昨日は落ち葉も舞い上がらない雨,しかも一日中降り続いていた。私はロータリークラブの関係で,雨中のゴルフに臨んだのである。それにしてもさんざんなスコアであった。天候等のコンディションのせいも少しはあるが,もともとの素質のなさ(先天的なもの),力みと早打ち(後天的なもの)とが災いしたのであろう。近来まれにみる悲惨な結果であった。
それはそうと,この雨中のゴルフで何も収穫がなかったという訳ではない。昨日一緒にラウンドさせていただいたある方のお人柄などに感服し,手本にしなければと思った次第である。つまりこの日の収穫は良いお手本に巡り会えたということである。
この方は私が所属するロータリークラブの大先輩であり,もう75歳を超えておられる。しかし,よほどのことがない限りカートは使用せずに歩かれる。プレイ中の言動や表情はいたって穏やかであり,同伴者やキャディーに嫌な思いをさせることなど全くない。淡々とされている。私などはあるホールでその方のボールを誤球するミスを犯してしまった。同じ銘柄のボールだったのである。でもその方は,そのホールが終わった後に,そっと誤球の事実を私に教えてくれた。もちろん私はペナルティーを加算して申告した。そのホールでのプレイで私が心理的に影響を受けないようにとの心遣いだったのだろう。またこの方は,私がOBを出してしまった後,知らぬ間にボールを探しておいてくれ,プレイが落ち着いたころに私にそっと渡してくれた。さらには,この方は,昼食休憩後に孫のような年齢の若いキャディーさんに「お昼ご飯は食べた?」と声をかけ,食べていないことを告げられたら,次の茶店で大きな「どら焼き」を買い,おなかが空いたら元気がでないだろうとその「ドラ焼き」をキャディーさんにあげていた。そのキャディーさんは感謝して,美味しそうに頬張っていた。
要するにこの方は,付け焼き刃などではない根っからの優しい紳士なのである。武士のような雰囲気もある。これはまねしようと思ってもまねできないものだが,お手本のような人である。
今日の新聞を見ていたら,10年前の10月29日(今日)の朝刊の懐かしい記事が載っていた。長嶋茂雄監督率いる巨人と,王監督率いるダイエーとが日本シリーズを戦い,4勝2敗で長島巨人が日本一に輝いたという記事である。懐かしい。また,その記事には,長嶋監督は,日本一に輝いてもちろん胴上げはされたが,王監督を気遣ってその勝利のコメントや表現は実に控えめであったということも記されていた。