他人の食べ物の好みなんか知りたくもないとお思いでしょうが,今日は僕の嫌いな食べ物のことが話題です。彼らに全く罪はないが,僕の嫌いな食べ物は,内臓(ホルモン,レバー,砂肝など),フグの白子,ホワイトアスパラ,なまこ,・・・そしてギンナンです(笑)。
僕はこれまでのところギンナンで失敗したことはない。失敗という意味は,うっかり食べてしまうということである。ギンナンの生息地はたいていの場合は,茶碗蒸しの底の方である。これまではスプーンで首尾良く探し出し,誤食(笑)を未然に回避してきた。自慢じゃないが,これに失敗したことはない。
しかし先日,多くの目上の人たちと夕食と会話を楽しんでいた際,惨事が起こった。こういった料理の名称は知らないのであるが,縦型のスープカップの口をパンで屋根のように覆ってあり,その中に美味しいスープが入っているという料理である。そしてパン製のドーム状の屋根をスプーンで崩し,それと一緒に中のスープを味わうのである。話がはずみ,しかも相手は目上の人が多かったので,このスープに対する注意力が散漫になってはいた。
そう,・・・とうとうやってしまったのである。中にギンナンが生息しているとはつゆ知らず,とうとう誤食(笑)してしまったのである。こうなったら,いったん口に入れた天敵ギンナンをはき出すわけにはいかない。人の目もあるのである。・・・飲み込んだ。ところが,その後がいけない。また油断してしまい,スープカップの底にもう一つのギンナンが生息していることにも気づかず,一度ならず二度までも誤食(笑)し,これまた飲み込まざるを得なかったのである。
ギンナンというものは,何も茶碗蒸しの中だけに生息しているわけではないという冷厳な社会的真実,これを肝に銘じた秋の夜長であった(笑)。