今朝の産経新聞に,「『日本に恩返し』思いが宙に浮く-各国の支援行き届かず-」という見出しの記事が出ていました。東北関東大震災の被災者の方々の肉体的,精神的苦痛はいかばかりかと,発する言葉もありません。救援物資がスムーズに行き渡らず,一日の配給が二食分しかなく,しかも一食がおにぎり一個だったり,パン一個だったりの地域もあるようですし,春とはいえ被災地は厳しい寒さであり,一枚でも多くの毛布が欲しいでしょう。
そんな中で,今朝の産経新聞の報道によると,日本に対する諸外国からの善意と支援の一部が行き場を失っており,「日本に恩返しをしたい」という各国の思いが宙に浮く格好になっているようです。たとえばある国は,毛布を数万枚送ると申し出てくれたにもかかわらず,日本政府はサイズ(80㌢×80㌢)を指定し,送られる予定の毛布が20㌢ほど「規格」に合わないとわかると,受け入れに強い難色を示したようです。結局は日本政府のいう「規格外」の毛布は,すったもんだの末にようやく日本に届けられたということです。何という硬直したばかげた対応でしょう。被災地にいる人の低体温症が危惧される中で,一枚でも多くの毛布で身を包みたいでしょうに,20㌢ほど「規格」に合わないことがどうして善意受け入れの障害になるのでしょうか。
「日本からはいろいろな支援を受けてきたので、その恩返しをしたい。受け入れ側の事情も理解しており、不必要なものを送るつもりもない。それでも日本政府の対応は首をかしげる」(東南アジア筋)という声は小さくないそうです。ある国などは,日本に米を送るに当たり,少しでも日本人の口に合うようにと,モチ米を混ぜる工夫までしていたとのことです。本当に,本当にありがたい善意です。
また,他国の善意を失礼,非礼で返すような菅政権の許し難い行為もあります。震災直後,比較的親日的な台湾政府は,すぐに救助隊の派遣を準備し日本にその受け入れを申し出たにもかかわらず,菅政権は,この台湾からの救助隊派遣を二日間も待たせたのです。その間,他国からの救助隊は続々と日本に来ているのにです。中国政府からの救助隊が3月13日に到着したところで,菅政権はようやくその夜に台湾政府からの救助隊受け入れを決定し,同政府からの救助隊はやっと3月14日,羽田空港に到着したのです。菅政権は,政治的な思惑から台湾政府の善意を足止めしたとしか思えません。極めて非礼で,許し難い対応だと思います。