昨夜は自宅で夕食をとってから,好きなお酒を一滴も飲まずにすぐにバッハの音楽を聴き始めました。中断してお風呂に入り,再びバッハの音楽を聴きながら眠りにつきました。7月28日はバッハの命日ですので,その前夜私はバッハの音楽にじっくりと浸りたかったのであります。
昨夜はバッハのいろいろな音楽を聴きましたが,やはり涙が出てきました。特に,「ミサ曲ロ短調」の最終曲である「平和を我らに与えたまえ(ドナ・ノヴィス・パーチェム)」の時にはあふれましたね。バッハの音楽は魂に語りかけるような,魂を揺さぶるような深遠な音楽なのです。バッハは,音楽の究極の目的は神をたたえることと魂の再生だと考えていたようです。私はキリスト者ではないので,その意味からすると,たとえバッハの音楽に感動したとしても,キリスト者のそれの半分くらいの感動の度合いなのかもしれませんが,自分自身バッハの音楽で心から癒され,魂の再生をはかるきっかけが与えられることは間違いありません。
最終的には,バッハの音楽が好きならば自分だけがその深い森の中で癒されていれば良いのですが,どうしてもバッハの良さを伝えたい衝動もあります。ただ,私のように楽理的なことも分からず,音楽史の研究をしたこともないような者がいくら声高に叫んでも説得力がありませんので,これは数枚のDVDに登場する何人かの人のコメントなのですが,それを紹介したいと思います。
① 生物学者 ルイス・トマス
→ 宇宙,そして地球外の生物に送り届けたいメッセージや人類の誇るべき宝は何かと言われれば,それはバッハの音楽だ。
② ピアニスト ジョアンナ・マクレガー
→ バッハの音楽がない世界はあり得ないのです。
③ 歌手 ボビー・マクファーリン
→ バッハのメロディーはすごいんだ。聞くたびになぜか涙があふれる。魂に届くんだよ。「2つのヴァイオリンのための協奏曲」の第2楽章を初めて聴いた時,涙が止まらなかった。
④ 音楽学者(ハーバード大学教授) クリストフ・ヴォルフ
→ バッハの楽曲は実に多様性に富み,知性と豊かな感情を併せ持っています。私を魅了して止みません。
⑤ 音楽学者 ジョシュア・リフキン
→ 彼(バッハ)の音楽は語りかけてきます。仲間内に1人だけいる少し変わった人のように・・・「僕は流行とは違うかもしれない。人気もないかもしれない。でも信じてほしい。信じてくれれば,あなたの人生を変えますよ。」とね。