もう蝉の鳴き声も聞こえなくなりました。今年の夏を乗り切るのには苦労しましたが,いよいよ秋です。大変好きな季節です。
それにしても最近,自分でも思うのですが,1つ1つのブログの文章が長過ぎはしまいか。あんまり長いと,全国6189万人のこのブログ愛好者も(笑),さすがに読む気が失せるのではないかと思い始めてきました。確かに,私は自分の仕事面でも裁判所に提出する準備書面はページ数が多めです。以前私が勤務していたボス弁護士も,口癖のように「お前の準備書面は長過ぎるわ。誰も読まんぞ,そんなの。」と言っておりました(笑)。でも私は,この点に関してはボスの真似はしようとは思いませんでした。だって,ボスの書面は短過ぎるんだもん(爆笑)。
ああ,こうやって前置きなどをするから,1つ1つのブログの文章が長くなってしまうんですね。今日の本題は,日本霊異記のことです。今この本を楽しんでおります。年齢のせいか,それとも他に何か理由があるのかは知りませんが,最近では特に,この愛すべき日本の古い昔の文学に憧れるのです。
日本霊異記というのは,正式名称は「日本国現報善悪霊異記」というもので,その成立年代はあの遠い昔,平安時代初期の822年ころと言われております。筆者は薬師寺の僧侶である景戒という人です。この本は一言で言えば仏教説話集です。基本的には因果応報を説き,良き結果を得たいと思えば良き因となる行為に務めよ,邪な心は禁物ですよ,というものです。でも,結構面白いんですよ。今は中巻の第32話まで進みましたが,当時の人々の生活,風俗の一部を覗くこともできますし,何よりも当時は聖武天皇を初めとして仏教を広めたいという強い気持ちがあり,そして実際に広まっていったのです。
①赤ちゃんが鷲にさらわれたのですが,悲嘆にくれていた父親が数年後に,本当に不思議なきっかけで,その子を育てていた家に偶然に宿泊して巡り会い,無事に引き取ることができた話とか,②以前に蛇に呑み込まれようとしていた蛙を助けたり,売られようとしていた蟹を買い取って放生してやった女性が,その後に屋根から侵入した蛇に迫られた際に,以前助けた蟹がその蛇を切って女性を助けた話とか,③その当時愛知県(名古屋市中区辺り)に住んでいた行いの正しい強力(力持ち)の女と,やはりその当時岐阜県(本巣町辺り)に住み,住民に迷惑をかけていた強力(力持ち)の女とが力比べをし,愛知県の方の女が勝ち,以後は迷惑をかけないように懲らしめた話とか,・・・なかなか面白いんですよね。それに,狐という名の由来(来つ寝)とかも分かります。
私としては,今後も古典に対する憧れが続きそうです。