さて,このいわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなったのは,吉田清治という人間の文筆,講演活動です。この者は,昭和58年に「私の戦争犯罪」という本を上梓し,その本の中で日本軍が第二次大戦中に朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にしたなどといったありもしない作り話を展開し,自ら韓国などに赴いては講演,謝罪をして回り,朝日や赤旗などの新聞紙上で「(自らの)戦争犯罪」についての「告白」を展開したのです。
ところが,平成元年8月14日,韓国済州島の地元紙「済州新聞」はその独自取材の結果をもとに,「(吉田清治の)『私の戦争犯罪』という本の内容は捏造である」と報じました。また,平成4年3月,秦郁彦という日本の歴史学者が自ら韓国済州島に出向き,吉田の「慰安婦狩りを行った」という証言についての現地調査をしたものの,その裏付けは全く取れなかったばかりか,当時を知る島民も「この島で人間狩りが起こったら大騒ぎになって誰でも知っているはずだが,そんな話は聞いたことすらない。」と述べているくらいです(笑)。
さらには,歴史学者秦郁彦さんは,現地調査に出向いた際には,済州新聞の記者であった許栄善女史からは「何が目的で、こんな作り話を書くのでしょうか。」と言われ,郷土史家の金泰玉氏は「私はこの本(吉田清治の『私の戦争犯罪』)の日本語版がでたときに入手して読んできたが、内容は全く事実でない。この本は日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物と思われる。」と憤慨していたそうです(秦郁彦著「慰安婦と戦場の性」新潮選書233頁以下)。「日本人の悪徳ぶり」というくだりは極めて失礼な表現ですが,この吉田という者の著作が「軽薄な商魂の産物」という表現には賛同したいと思います。
極めつけは,この吉田清治という人は,平成8年5月29日付けの週刊新潮のインタビューにおいて,「本に真実を書いても何の利益もない。事実を隠し自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやるじゃないか。」と発言していることです。語るに落ちるとはこのことです。この者の「私の戦争犯罪」という本に書かれている内容,特に日本軍が朝鮮人女性の慰安婦狩りを行い,強制連行したなどといった内容は真実としての裏付けを全く欠いていることは明らかです。この者の文筆活動や講演,謝罪行脚は日本人の父祖や散華された方々の名誉を著しく毀損するものであり,看過できません。
冒頭で述べましたように,残念ながら,この吉田清治という人間の文筆,講演活動は,いわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなってしまったのです。ウィキペディアの「吉田清治」の項を参考にしてください。(怒りをもって続く)