さて次に,このいわゆる「従軍慰安婦」問題の売国的な拡大の一つのきっかけとなったのは,当時の宮沢喜一首相の訪韓直前である平成4年1月11日付けの朝刊で突如としてこの問題について報じた朝日新聞の売国的な記事です。この売国的な記事の骨子は2点あり,第1点目は「政府は、これまで慰安婦問題に関与していなかったと主張していたが、政府の関与を示す資料が発見された」ということ,第2点目は「太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を、(慰安婦にするために)挺身隊の名で強制連行した。その数は八万とも二十万ともいわれている」ということです。何なのでしょうか,この新聞は・・・。一体全体どんな客観的,正確な裏付けがあってこんな記事を書くのでしょうか。日本人として心からの怒りを覚えます。
第1点目の「資料」というのは,中央大学の吉見義明なる学者が発見したという昭和13年3月付けの,陸軍省副官から北支方面軍及び中支派遣軍参謀長に宛てた通牒案です。しかしこの内容というのは,「業者が慰安婦募集に関してトラブルを起こしたことがあったため、募集は適正に行うよう業者を指導せよ」というものであり,国や軍が強制連行に関与したことを裏付けるのとは全く逆の内容のものです。第2点目の「・・挺身隊の名で・・・婦女子を(慰安婦)として強制連行・・八万とも二十万とも」などといった記事の内容はもはや論外です。現に,韓国政府による調査報告書の中でも「勤労挺身隊は日本が太平洋戦争遂行により深刻な労働力不足を経験し、女性の人力までも韓国内或いは日本の軍需工場などに動員したもので、このような勤労挺身隊動員の趣旨は基本的に軍隊慰安婦の調達とは性格を異にする」と記述されているのです。
このアカヒ,いや朝日新聞は,さらに追い打ちをかけるようにその年の1月23日付けの夕刊の「コラム 『窓、論説委員室から』」において,昨日のこのブログでも触れた吉田清治なる者の客観的裏付けのない,また本人も創作にかかる部分が存在することを認めている「慰安婦狩り」の供述内容を鬼の首を取ったように報じているのです。この新聞は一体どこの国の新聞なのでしょうか。安倍晋三元首相はこの朝日新聞のことを「チョウニチシンブン」と仰っていたと思います(笑)。
このような朝日新聞の極めていい加減な記事の連発は,万死に値するあの宮沢内閣による謝罪とやはり万死に値する河野談話を呼び込む原因の一つとなります。本日のこのブログの内容は,今月発売された月刊誌「正論 1月号」の中の「慰安婦強制連行はなかった」というタイトルの大師堂経慰氏(元日本合成ゴム専務)の著述内容を大いに参考にさせていただきました。この方はこの問題を日本人として最期まで憂慮され,平成22年11月に他界されたのです。(怒りをもって続く)