先日,仕事で彦根まで出張に行ってまいりました。何と,彦根の裁判所は城のお堀の内側にあるんですね。さて,仕事を終えました。お堀の内側なんですもの,城を見ていかない手はなく,小学生の時以来数十年ぶりに彦根城内外を見物しました。城は勿論,市内も清々しい空気と落ち着いたたたずまい,本当によい街ですね。
彦根城のお堀の中には,幕末の大老井伊直弼の像がありました。開国を決意しこれを断行した井伊大老の深い悩みと覚悟はいかばかりであったろうかと思います。悩み,命をかけて決断したのです。それにひきかえ菅なる者は,尖閣諸島沖の中国漁船衝突問題で醜態をさらし,脳天気の鳩山から引き継いだ米軍普天間飛行場移設問題でも事が進捗しないものですから,「第三の開国」と称してTPP参加を軽率に口にしました。野田なる者も,効力面での条約の国内法に対する優越すら認識せず,ISD条項の意味すら知りませんでした。これらの者と井伊大老の悩み,勇気,決断,覚悟とは雲泥の差であり,比較するのも馬鹿げています。
ああ,いかんいかん,また政権批判になってしまった(笑)。私は仕事であちこちに行きます。別に彦根がそうという訳でもありませんが,中小都市のどの駅前の商店街にもシャッターが目立ったり,人通りも少なく,町全体に元気がないように感じます。寂しい限りです。もうこの日本は,16年間もデフレ経済を脱却できないままですし,超円高にも無為無策を決め込んでいます。
財務省や日銀の皆さんは,本当にお勉強ができ,学力も高く,偏差値の高い超一流大学の出身者ばかりだと思います。優秀ななずなのに,いまや日本経済の宿痾ともいうべきデフレ経済から脱却する,そして円高を回避させるべき有効な手立てを打てないでいます。どうしてなのか不思議でなりません。優秀なのでしょう?彼らは。日銀総裁の白川という人は,「ドラえもん」に出てくるのび太くんみたいな顔をしているだけで,財務省とタイアップして国のために何か抜本的で有効な手を打とうとする素振りは全くありません。マネタリーベースでは諸外国は増大しているのに,日本だけは旧態依然として低空飛行を続けています。本当にひとり旅の状態です(笑)。超円高になるのは当たり前です。こんなに超円高基調が続けば,海外での事業展開などを考えざるを得ず,日本の産業の空洞化,高度技術の移転(いくらブラックボックスがあるといっても),雇用の喪失に歯止めが利かなくなります。産経新聞の編集委員である田村秀男さんの経済記事は昔から好きで,すごく説得力があると思っているのですが,田村さんは昨日の産経新聞の朝刊で次のように述べております。
「主要国中央銀行のうち日銀だけがその後も、量的緩和をせずに、超円高デフレを招いてきた。まじめに国内生産を続ける企業は罪もないのに超円高で罰せられて赤字に苦しむ。デフレに伴う税収減のために財政収支はさらに悪化しているのに、政府は増税に次ぐ増税しか考えない。増税はさらに消費や投資を圧迫し、デフレを加速させる悪循環を引き起こす。政府と日銀がおカネに関わる政策の大転換に踏み切らないと、新年には以前にも増して巨大なツケを呼び込むことになるだろう。」
御意,おっしゃるとおり!確かに日本の消費税率の5%は,諸外国と比較しても格段に低く,現在のセーフティネットである社会保障の水準を維持するためには,税率を上げなければならないのは明らかです。でもその前にやることがあるだろう,ということなのです。とにかく,企業が元気になり,従業員が元気になり,商店街が元気になり,国が元気にならなければなりません。
今年も色々とありました。東日本大震災で被災された方々には何度お見舞いを申し上げても足りません。来年は「すべて世は事もなし」といきたいところです。
日本全国,約6194万人のこのブログ読者の皆さん(笑),今年も本当にお世話になりました。何とか私も家族ともども年を越すことができそうです。ありがとうございました。良いお年をお迎えください。そして来年は良い年になりますように。