もう,ホントにしつこいんだから,と言われそうですが,今朝もバッハのゴルトベルク変奏曲の第30変奏のお話しです。本当にめちゃくちゃ佳い曲なのです。私の練習はまだ第1変奏で止まっておりますが(笑),先日,本命の第30変奏というのは私にも本当に弾けそうなのかどうか,恐る恐る楽譜を見てみました。そうしたところ,とにかく一生懸命に頑張れば,何とかなりそうでした。
楽譜を見ておりましたら,この第30変奏は得も言われぬ美しさをもった4声の曲でした。4声というのは文字通り4声部を持った曲で,イメージとしてはソプラノ,アルト,テノール,バスといった感じです。これを両手で弾くのですから,大体,右手でソプラノとアルトの2声部を,そして左手でテノールとバスの2声部をそれぞれ担いながらの演奏ということになります。
この第30変奏があまりにも素晴らしく,仕事中でもそのメロディーが頭から離れない時があるものですから,ネットで「ゴルトベルク変奏曲 第30変奏」とキーワードを入れて検索し,ユーチューブにアップされている動画でその音楽を楽しんだりしております。ある時,この第30変奏の動画でネットサーファーみたいに次から次にクリックしていましたところ,偶然にこの第30変奏の構造を視覚で理解できる動画を発見しました。音楽の進行と共に4声部の各動きが黄色,緑色,青色,ピンク色で表示されていく動画です。そうか,こんな風な構造になっていたのかと感動しました。やはりバッハはすごいのです。対位法の究極の完成者であるバッハ自らが述べていたように,無駄な音が一つもないのです。
ただ,この第30変奏の楽譜の中には,10度の音程を弾かなければならない箇所があります(例えば,ドから1オクターブ上のドをさらに超えてミまで手指を開かなければならないということです)。これはさすがに私には無理です。どちらかを離さなければなりません。必然的に主旋律重視で上の音だけを押すということになりそうです。ピアノの道に進む人は大変ですね。親指と人差し指の間の,いわゆる水かき部分を切除して拡げる人もいるそうですね。
私は,何としてでも,どんな卑怯な手を使ってでも,何とかこの第30変奏をマスターしたいと念願しております。そういえば,ロータリークラブの仲間(60歳代の女性)が,最近私のバッハ好きの言動に影響されてか,バッハのゴルトベルク変奏曲のCDを購入して楽しんでいるとのこと。それもグレン・グールドの1982年録音盤という素晴らしい録音を選択されたそうです。僭越ながら,これからもバッハの音楽の伝道につとめたいと思います(笑)。