「お母さん 火の気のない 二月の台所は 寒かったでしょう 水しか出ない 台所で 朝食用の米をとぐ 夜は しんしんと 冷えたでしょう 文句一つ言わず 休みのない 台所仕事 あなたの やさしさが あふれていた 台所」
これは昨日(2月15日)の産経新聞の朝刊の「朝の詩(うた)」というコーナーに掲載されていた三重県伊賀市の北間理子さんという方の詩です。胸に響いた詩だったものですから,思わず「拡散」してしまいました。著作権法違反になるのでしょうか。法律家であるにもかかわらずそんなことも分からないなんて・・・(笑)。
いい詩ですね。私の母もそうでした。今のうちのカミさんもそうです。いずれも名実ともに昭和の人で,彼女らが毎朝台所仕事をしている音,まな板をトントンと叩く音で家族が目覚めるのです。それにしても二月の水の冷たさは格別ですね。お米をとぐのも本当に冷たいでしょう。ありがたいことです。ただ,「今のうちのカミさんもそうです。」という表現は,少し誤解を与えますので,「うちのカミさんの今もそうです。」に改めます。何しろ私は一度しか結婚しておりませんから(笑)。彼女も毎朝午前6時少し前に起きて朝食を作ってくれますし,娘のお弁当も作ってくれます。毎朝のことですから大変でしょう。でもそういう愚痴は全くこぼしません。くどいようですが,本当にありがたいことです。
さてさて,それにしてもとうとう日銀が重い腰を上げましたね。14日に開かれた金融政策決定会合で,事実上のインフレ・ターゲティング「1%」に言及しました。このずーっと続いているデフレ経済脱却のためにようやく重い腰を上げ,この1%に加え,10兆円の追加緩和です。でも日銀だけではデフレ脱却は無理です。政府と一緒になって本気で財政出動をしなければ効果は希薄でしょう。何しろ,企業の内部留保とご家庭のタンス預金が有り余っておりますから。要するにデフレギャップの解消が必要で,需要を伸ばさなければなりません。復興需要,特にインフラ整備でいきましょう。そして,インフレ予想を徐々に形成していき,企業や国民をして設備投資や消費に向かわせるようにしなければ意味がありません。日銀のこのたびの事実上の1%インフレ・ターゲティングの報に接するにつけても,「日銀はだれのものか」(中央公論新社)という本を著し,4年間日銀内で孤軍奮闘されていた中原伸之さんの言うとおりの展開になりつつありますねぇ。