これが3月中旬の気候なのかしら,と思わせるようなとても寒い朝もあります。先日は仕事で彦根まで行ってきましたが,米原や彦根では少し雪も降っていたくらいです。
「糠に釘」という日本語がありますが,これは何の手応えもなく効き目がないことの例えで,「暖簾に腕押し」とほぼ同義です。中国という国はルールというものを守らず,他国や他者からそのことについて批判や非難を受けても,我関せずという厚顔無恥ぶりです。糠に釘とはこのことです。中国はレアメタル(希少金属)の不当な輸出規制をしていたため,アメリカや欧州連合(EU)は中国を世界貿易機関(WTO)に提訴しておりました。そしてこの1月には中国の敗訴が確定したのです。それにもかかわらず中国の改善は不十分で,むしろ生産規制が目立つと指摘されています。ルールも何もあったものではありません。
そしてこのたび,今度は中国によるレアアース(希土類)の輸出規制が不当だとして,アメリカと欧州連合(EU),それに日本が協力して,中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したことが新聞報道されておりました。中国は,自国の企業に有利なように資源の囲い込みを狙っているのですから,提訴されて当たり前です。実は日本は中国に対しては,「政治的配慮など」から提訴を控えてきた経緯がありますが,加盟国にルールを守らせるのは当然なのであり,日本の弱腰にはホトホト呆れます。中国は世界貿易機関(WTO)に加盟し,貿易によって十分過ぎるほどの恩恵を受けているのですから,国際的なルールくらいは守らなければなりません。
また産経新聞の報道によると,3月11日付けのイギリスのサンデー・タイムズは,イギリスの防衛産業大手BAEシステムズが開発に加わるアメリカ主体の最新鋭ステルス戦闘機F35のデータを盗み出すため,同社のコンピュータに中国のハッカーが侵入していたと報じたとのことです。中国のハッカーは,F35の設計図や性能,電気系統などのデータを盗むため「スピアフィッシング」と呼ばれる手口を駆使し,アメリカ国家安全保障局などになりすましてBAE関係者の名前やパスワードを聞き出し,1年半にわたって同社のコンピュータに侵入していたとのことです。F35といえば,何と,わが日本国が昨年末,次期主力戦闘機として導入を決めたばかりなのですよ・・・。中国によるサイバー攻撃や情報盗みのひどさは世界的に指摘され,その対策が検討されております。日本よ,大丈夫か!
ひるがえって卑近な例では,3月14日の読売新聞の記事によれば,ネットバンキング口座が不正侵入され,現金150万円が盗まれる事件があり,神奈川県警は複数の中国人を窃盗容疑等で逮捕したと伝えております。神奈川県警はこの事件の背後に中国人のサイバー犯罪グループがいると見ています。この事件は,横浜市の男性会社員の銀行口座から大分県の女性のパソコンで他人の口座に現金が送金されていたのですが,外部者がその男性のネットバンキングのIDとパスワードを盗み取り,女性のパソコンに不正侵入して送金手続をしたと見られています。その150万円の送金先には3口座あり,しずれも中国人名義で,50万円ずつが振り込まれていたそうです。由々しき事態です。これも,人の物を盗ってはいけないという基本的なルール破りですが,その手口が「サイバー」です。本当に恐ろしい世の中になってしまいました。