西 郷「今日も今日とて,お酒はうまいんだが,・・・あーあ,お前と一緒で,また俺も春の人事異動の内示がなかったわ。我が社も一体全体,どんな人事考課をしとるんじゃい!」
大久保「俺もお前も係長昇進が同時期だったけど,もうあれから9年も経つか。」
西 郷「こういうのを万年係長って言うんだろうか。」
大久保「・・・まあ,そうだろうな・・・。」
西 郷「そうだろうなってお前,いやに冷静じゃないか!・・・後輩の黒田も,松方も出世してるっていうのに。」
大久保「先日ね,NHKで『100分 de 名著 ブッダ 真理のことば』っていう番組をやってたんだけど,なかなか良かったよ。出世なんかどうでもいいかなと思った。NHKという放送局の作る番組のうち,政治的なものや歴史的なものは全く信用していないけど,ごくたまには良い番組も作る。西郷ちゃん,お釈迦様の言葉には「はっ」とさせられる,腑に落ちる言葉がたくさんあるよ。西郷ちゃん,一切の執着を捨てなさい!君はこの瞬間においても,目の前に一匹残ったホタルイカの沖漬けを食べてしまおうと狙っているでしょう。」
西 郷「あれっ,何で分かるの?」
大久保「目の動きと,雰囲気的にはホタルイカに対するギラギラとした執着心が君を全体的に覆っている・・。(最後の一匹のホタルイカの沖漬けを美味しそうにおおばりながら)いいかな,この世は無常です。諸行無常・・。この世は仮の住まいです。人生なんてほんの一瞬。人は様々なものに執着して生きている。でも執着が強すぎると,地位や財産,家族といった本来は幸せをもたらすはずのものも,自分の思い通りにならないことに苛立ち,苦しみを感じてしまうのだよ。心の苦しみというのは執着から生ずるのだ。執着心を捨てればそもそも苦しまなくて済む。課長補佐というポストに対する執着なんて・・・,バカげているよ。」
西 郷「・・・・・お前も偉そうに・・,でも確かに説得力はあるわね。諸行無常,そして盛者必衰といえば,民主党もいよいよ断末魔だね。俺はこの政党を心の底から軽蔑している。2年数か月前,マスゴミ,いやマスコミが一斉に支援する中,そして『一度くらいはやらせてやっても』という極めて安易な多数の有権者の投票によって,憲政史上最悪の政権が誕生した。あの長妻っていう元大臣が就任の際に「みなさん,このマニフェスト持ってますよね。」なんて鬼の首取ったように厚生労働省の職員を前に演説したシーンを今でも思い出すよ。マニフェストっていったって,何の裏付けもなく反日左翼が無責任に作成し,何かまともに達成できたものがあるのか?」
大久保「おっと,そっちの話題になったのか。民主党なる政党を心から軽蔑している点では完全にお前と一致してるよ。『民主党 やらせてみれば この始末』という名句が誕生したりしたね・・(笑)。」
西 郷「ねぇ,大久保ちゃん。ホタルイカの沖漬け,お代わりしてもしてもいいかな。民主党批判の話題になったら,お酒がますますうまくなってきちゃって,おつまみに最高でしょうに。」
大久保「うん,食べよ,食べよ。」
西 郷「それにしても,大久保ちゃんは,課長補佐には全然なりたくないの?」
大久保「・・・・・・・・なりたい。」
西 郷「一切の執着を捨てよ!」