あら,もう5月ですね。この前お雑煮を食べたと思ったら,もう一年のうち三分の一が経過してしまいました。大好きな桜の時季も,この地方ではもう終わってしまいましたし,本当に早いものです。こんな調子であの世からのお迎えが来てしまうのでしょうか(笑)。徒然草によれば,そのお迎えは前からではなく,後ろから「そっと」来るようですし・・・。
さて,先日は仕事の関係で彦根に行ってきましたし,その翌日には自己研鑽のために大阪にも行ってきました。このところデスクワークが中心だったので,良い気分転換になりました。それにしても,名古屋駅の新幹線口まで乗せていってくれたタクシーの運転手さんは,本当に良い人でした。
これは一般論ですが,タクシーの運転手さんの中には,とにかくよく喋りまくる人がおります。相手(乗客)の気持ちなどをあまり斟酌することなく,とにかく自分の意見を喋りまくるのです。最初のうちは私も相づちを打ってあげるんですが,そのうちにだんだんと辟易してきて,わざと相づちもおろそかにしてやります。それでも喋りまくる運転手さんがいます(笑)。これはいただけません。
一方,乗車しても全く愛想がなく,行き先を聞いて返事をして以降は,目的地到着まで一言も口をきかない運転手さんもいます。さすがにこのような沈黙の継続は気まずい・・・。手紙で言えば,せめて時候の挨拶のようなことはひとこと言っても罰は当たりませんでしょう。その後のことは,私だって静かに乗っていたいことが多いので,運転手さんも寡黙で構いませんが。
要するに,ほどほどが良いということです。ところで,名古屋駅の新幹線口まで乗せていってくれた,くだんのタクシーの運転手さんは,雰囲気のある本当に良い人でした。歳の頃は60代でしょうか,最初は時候の挨拶と穏やかな口調で若干の会話をした程度で,それだけで場が和みました。そうしたら,助手席裏に掲示されていたその運転手さんのネームプレートには,「米田豊作」とあるではありませんか。私は普段,自分の方から運転手さんに語りかけることはないのですが,思わずその人に語りかけたい衝動にかられ,「本当に良い名前ですね。」と声を掛けました。日本は瑞穂の国,日本的でそして親の気持ちのこもった本当に良い名前だと思ったのです。そこから先は,名古屋駅までの短い間でしたが,その運転手さんの淡々とした語り口による,私との間の世間話が始まりました。人に人生ありです。
タクシー車内での運転手さんの口数もそうですが,何事もほどほどがよろしいようですね。