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弁護士ブログ

2012/05/10

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日本政府は,国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に対し,世界の無形文化遺産として和食を登録申請しました。すんなり登録されるかどうかは分かりませんが,5月1日付けの読売新聞朝刊にそれに関する記事が掲載されておりました。

 

確かに和食は,その美味しさ,健康面での良さ,外観などの要因でしょうか,海外ではその人気が高まっております。でも,その本家本元であるはずのわが日本国内では,和食離れも指摘され,そもそも「サザエさん」の磯野一家のように家族で食卓を囲むという素晴らしい文化が廃れつつあります。本当に嘆かわしいことです。

 

その新聞記事によると,朝食に何を食べるかというあるアンケートではご飯が34%,パンやシリアルが40%となっており,ご飯があまり食べられなくなる傾向があります。私なんか,幼少のころから朝食はご飯と味噌汁,あとは簡単なおかず(海苔や卵焼きなど)で育ってきましたし,現在でも,そして今朝もそうなっておりますし(笑),特段の事情でもない限り家族全員でいただきます。しかし,新聞記事で紹介されたある会社の食卓調査の結果によると,スナック菓子やビスケットだけの朝食や昼食,サンドイッチと焼きそばといった「主食重ね」の夕食,食器を使わずにアルミホイルを皿代わりにする。そして箸をきちんと使えないままの子供。さらには,家族はそれぞれに好きな物をバラバラの時間に食べる・・・。

 

こんなもの家庭とは言えません。磯野一家のちゃぶ台でなくとも,朝食はもちろんのこと,夕食でも可能な限り家族全員が揃って食事をいただき,親も子供も前の日にあった出来事やその日にあったことなどを語り合うのです。もちろん箸使いその他の食事のマナーなども身につけ,お母さん任せではなくできれば家族が配ぜんも手伝うのです。食事の団らんの際に,子供は親の苦労を理解し,親は子供の悩みや普段考えていることなどを把握するのです。確かに,子供が大きくなれば部活や塾通い,父親だって残業ということもあるでしょうが,そんな状況下でもできるだけ家族全員で食卓を囲もうという努力はすべきでしょう。家族がそれぞれに好きな物をバラバラの時間に食べるなどというのは,もはや家庭とは言えない。

 

ところで,くだんの新聞記事のまとめ方,締めくくり方が極めて浅薄なのには呆れました。「和食が世界の無形文化遺産に登録されれば、日本人自らが和食の魅力を再確認し、次世代に継承する原動力になるだろう。」ですって・・・。ユネスコに和食が登録されたからといって,果たしてそうなるでしょうか。特に家庭内における和食文化の衰退という問題に対しては,そんな浅薄な捉え方ではだめでしょう。

 

約60年をかけて徐々に日本人の精神構造が劣化してきた訳ですし,古き良き家庭文化も衰退してきたのですから,やはり躾を含めた家庭教育,学校教育の立て直ししかないのではないでしょうか。家庭内できちんとした躾ができ,磯野一家とまではいかなくてもそれに準ずるような,そして戦前にはどこのご家庭にも見られたような典型的な文化,さらには家族の絆がいつも感じられるような関係を形成していけるような将来の「親」を育成していかなければなりません。

 

蛇足ですが,食の安全保障という観点もいつも意識していなければならないと思います。アメリカ,イギリス,フランス,ドイツその他の先進主要国は,いずれもカロリーベースでの食料自給率が100パーセント前後確保されております。日本はそれに到底及びません。付加価値の高い果物や野菜がいくら確保されても,カロリーベースの食料自給が確保されなければ,有事の際には国民はヘトヘトになって元気もなくなり,何もできなくなってしまうのです。

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