ある国が急に外交面で攻撃的,強硬に出るのは,実はその国の内政面での問題が山積し,国民の政府に対する不満を外にそらすためだと説明されることがあります。確かに,特に中国や韓国,北朝鮮といった特定アジアの国々のこれまでの外交面での行動を見ておりますと,そういう面があることは間違いないでしょう。でもこういった説明は,その国の内政に問題があってのことだから大目に見てやりなさいという論に結びつきやすく,妥当ではありません。私としても韓国大統領の今回の竹島上陸という暴挙や,天皇陛下に対する暴言は極めて非礼で常軌を逸しており,絶対に許せません。日本政府としても毅然とした対応をすべきです。日韓通貨スワップ協定など破棄してもわが日本には何のデメリットもありませんし,ましてやウォンなどといった通貨はハードカレンシー(国際決済通貨)でも何でもなく(日本円はもちろんハードカレンシーです),あろうことかウォン建で韓国国債を買うなどといったばかなことはしないと,この段階ではっきり宣言してもよいでしょう。でも民主党みたいな売国的な政権がそこまでできるかな?だって,ウィキペディアを見たって,民主党の支援団体の中に在日本大韓民国民団と記載されているのですもの。期待できるはずがありませんよね。
さて,それにしてもですよ,実際問題として韓国経済は本当に辛い状況なのだと思います。1997年のアジア通貨危機におけるウォンの暴落,2008年から9年にかけての韓国通貨危機が実際に起こっているように,韓国経済の基盤はとても脆弱なのです。1997年の通貨危機をきっかけとして,韓国経済はIMF(国際通貨基金)の管理下に入り,グローバル資本主義の下,韓国内では外資導入と市場の寡占化が極度に進みました。
韓国の大手輸出企業の株主の多くは実は外国人なのです。いわば外資によって国内経済が占領されている状況とも言えるでしょう。2011年現在で,サムスン電子の株式は54%,現代自動車やポスコの株式も50%弱が外国人株主によって保有されています。主要銀行に至っては悲惨で,国民銀行の86%,ハナ銀行の72%,新韓銀行の57%,韓国外換銀行の74%,韓美銀行の99.9%,第一銀行の100%が外国資本という有様です。そして,韓国証券取引所に上場している10大企業の売り上げが,何と韓国の全上場企業の52%を占めており,そのほとんどが大手輸出企業で,株主の過半もしくは半分近くが外国人なのです。そして,サムスン電子が売り上げを伸ばしても,実際には生産財,部品の多くを日本から輸入しておりますから,同社が売り上げを伸ばせば伸ばすほど日本企業も代金とパテント(特許使用料)をそれだけ多く取得できる構造なのです。また,韓国の貿易依存度は異常に高く,輸出と輸入の合計をGDPと比較した数値が何と96%を超えております(2011年)。ですから,諸外国の経済事情に大きく左右され,EUの経済問題の影響も受けやすい。
韓国の社会保障支出はOECD加盟国中,ダントツ最下位で,自殺率もトップ,日本以上に非正規雇用率が増え,しかもその潜在失業率は21.2%という驚くべき数字になります(2011年)。現在の韓国では,名門大学を卒業しても就職率は50%を割り込んでいるとのこと。また,実質賃金は下がり続け,2011年末時点の韓国の家計の負債対GDP比率は,約81%に達しているそうで,これはOECD加盟国中でも高位です。そして,国を挙げてのウォン安政策の影響で今度はガソリンなどの物価が上がり,国民の可処分所得が低下し,住宅バブルの崩壊,不良債権化も警告されています。
経済のことなど何も分からない私が,物知り顔して以上のようなことをブログで書けたのは,「グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本」(三橋貴明著,徳間書店)という本からの受け売りをしたからです(笑)。この本はお薦めだと思いますし,マスゴミ,いやマスコミがバカの一つ覚えのように「韓国を見習え」などと声高に叫び,歪んだ情報しか与えない中,日本経済が今後どのような方向を目指していくべきかに触れた好著だと思いますよ。