岩波ホール総支配人の高野悦子さんが亡くなりました。もちろん私などは映画の世界は門外漢ですが,高野悦子さんは本当によいお仕事をされたと思います。心からご冥福をお祈りいたします。
一番最初に高野悦子さんのお名前に接したのがいつ頃だったのか記憶はありませんが,「二十歳の原点」の高野悦子さんとは同姓同名で,最初は「あれっ?」と戸惑ったのを覚えております。それにしても「エキプ・ド・シネマ」が紹介,上映してくれる映画は素晴らしいものばかりでした。私は特に独身時代によく観たものです。
「大理石の男」
「ルートヴィヒ」
「約束の土地」
「秋のソナタ」
「山猫」
「ゲームの規則」
「熊座の淡き星影」
「アギーレ・神の怒り」
「ダントン」
「ドイツ・青ざめた母」
独身の私は,その当時夢中になって「エキプ・ド・シネマ」が紹介,上映してくれるこういった名作の数々を観たものです。この頃は名古屋駅の西側に「ゴールド」,「シルバー」という名画座があって,特に「ゴールド」の方に頻繁に通っておりました。いわゆる名画座,アート系というやつで,お客さんも本当に映画を楽しむといった精神的に余裕のありそうな,とてもマナーの良いお客さんが多かったように思います。本当に懐かしいなぁ。思い出します。
結婚してからもたまに「エキプ・ド・シネマ」の映画を観ました。東京勤務の頃は,カミさんと一緒に「岩波ホール」まで行き,「コルチャック先生」を観て涙したのを覚えております。
「約束の土地」などはもう一回是非観てみたいと思います。ところで名古屋には,いまは名画座,アート系の映画館はどのくらいあるのでしょうか。名古屋だって人口約226万人もおります。こういった映画を観たいというニーズもあるはずです。そういう映画館が廃れることのないように祈っております。
高野悦子さんは,生涯独身を通されたようですが,「シネマ君」とは挙式されたとのこと。映画に生涯を賭けた人生だったのですね。「シネマ君」と添い遂げられたのです。合掌。