第一生命が毎年募集し,佳作を発表しているサラリーマン川柳というのは本当に面白いですね。今年発表されたものも,いずれ劣らぬ傑作ぞろいです。
俳句の場合は,月並俳句はともかくとして,ちゃんとした作品については,どんな状況,心境で句作がなされたのだろうと想像力を働かせたり,含意をくみ取る必要がありますが,川柳の場合はとても分かりやすく,単刀直入です。そのままなのです。
川柳の中でもサラリーマン川柳の傑作に共通なのは,笑い(爆笑)だけでなく,どことなくもの悲しい情緒,哀愁といいますか,ペーソスも漂っております。それにしても,今年発表されたサラリーマン川柳は例年にも増して,自虐的な夫と嗜虐的な妻という構図が顕著です(笑)。
まずは夫が妻を揶揄した作品。
「風呂にいた ムカデ叩けば ツケマツゲ」
「乗る妻も 体重計も 悲鳴上げ」
いやー,ホントに面白いですね(笑)。
さきほど夫の自虐性と妻の嗜虐性と申しましたが,この観点から特に爆笑できたのをいくつかご紹介したいと思います。
「携帯と 亭主の操作は 指一本」
「ノーベル賞 家(うち)にないのは 平和賞」
「生命線 見せたら妻が 不機嫌に」
「家事停止 望むは妻の 再稼働」
「部下にオイ 孫にホイホイ 妻にハイ」
「小遣に 消費税を かける妻」
「営業に 連れて行きたい 嫁の口」
「家族割 あるのに妻と 通話なし」
ほんとに傑作ぞろいです(笑)。
ただ今回私が,すぐに反応し,腹を抱えて笑ってしまった作品,これが秀逸だと思われるのですが,それを最後にご紹介しましょう。子どもが完全に見間違えてしまうほど,化粧顔とスッピンとの落差が劇的な域に達していたのでしょうね(爆笑)。
「スッピンで プールに入り 子が迷子」