さて,平成25年のJリーグも開幕いたしました。密かに応援している名古屋グランパスは,ジュビロ磐田を相手に,その開幕戦を豊田スタジアムで戦いました。仕事の関係でさすがにスタジアムまで足を運ぶことはできませんでしたが,その試合内容は録画で拝見しました。足を運ばなくて良かった(笑)。ああいう試合を見せられた観客には同情いたします。素人の私がこんなことを言うのは生意気だとは思いますが,グランパスを陰ながら応援する気持ちが強いからこんな論調になってしまうのです。
一言で言えば,去年と同じようなストレスを感じてしまう内容でした。開幕戦前の監督インタビューで,6年目を迎えるストイコビッチ監督は,攻撃的で美しいサッカーをお見せすると言っておりましたが,ほど遠い内容だったのです。今年は3バックのシステムを採用し,布陣を見てみると3-6-1でした。アルビレックス新潟から獲得した元日本代表FW矢野貴章のワントップです。3-6-1というと,さぞ中盤で分厚いプレーが展開されるだろうと思いきや,ボール支配率は明らかに相手(ジュビロ)の方が上であり,グランパスの方は攻撃の組み立て自体ができません。ルーズボールもほとんど相手に奪われ,たまにボールを得てもうまくキープすることも展開することもできません。これほどパスがつながらないサッカーもないでしょう。パスのつながらなさ,という点ではJリーグ屈指でしょう(笑)。
ここ数年のこのチームの課題が何一つ改善されていません。要するに,戦術の共通理解とその実行がなされておらず,相変わらず組織的なサッカーーとはほど遠い。6年目を迎えたストイコビッチ監督は,なぜこれほどの期間,チームを託されながらチームを「作る」ことができないのでしょうか。もはや「政権交代」が必要です(笑)。ジュビロ戦後のインタビューでも,いわゆる前田遼一ジンクス(ジュビロのFW前田にその年度の初ゴールを決められた相手チームは過去6年連続でJ2に降格しているという不吉なもの)の対象にならなくて良かった,などと脳天気で危機感のないコメントをしています。
このジュビロ磐田戦にしても,今年は3バックで攻撃的にといいながら,攻撃は機能せず,後半21分には,昨年までのシステムとはいえ突如として4バックに戦術変更し,そのわずか5分後に失点しております。4バックシステムは春季キャンプでも練習していなかったそうですから,そりゃ選手も困惑するでしょう。
もう仕事がありますからやめますが,グランパスはこのままでは今年も良くて中位どまりです。下手をすると,降格争いに顔を出してしまうかもしれません。あのガンバ大阪でもJ2に落ち,その開幕戦で苦戦しています。グランパスのフロントも,本当にプロにならなければ,J2行きの憂き目を見るのではないでしょうか。FW矢野を獲得したのは良いとしても,永井や金崎を手放し,未練がましく腰痛持ちのケネディと契約を更新し,全く「補強」にはなっておりません。
そして何よりも,監督を補強しなければなりません。