前にもこのブログで触れたと思いますが,年に数回,巨人ファンと中日ファンの同業者(弁護士)が同人数ずつで巨人対中日戦を観戦し,負けた方がその日の夕食をご馳走させられ,勝った方はそのチームのグッズを負けた方にプレゼントし,負けた方は飲食店内で,衆人環視の中でそのグッズを身につけながら食事をしなければならないという集まりがあります(「巨中会」といいます)。
昨夜はナゴヤドームで観戦し,我が栄光の読売巨人軍が接戦をものにして勝利しました(笑)。球場内でも結構飲んでいたのですが,移動したいつもの台湾料理店ではさらに美味しいビールと,ベラボーに辛い台湾ラーメンをいただきました。ペナントレースはまだまだ始まったばかりですが,現在のところはジャイアンツはセ・リーグの頂点におります(笑)。
頂点といえば,今年のドイツのクラブチームは本当に強いですね。ヨーロッパのクラブチーム№1を決めるチャンピオンズリーグは,バイエルン・ミュンヘンがバルセロナを,そしてボルシア・ドルトムントがレアル・マドリードをそれぞれ下し,ドイツ勢同士の決勝戦が行われることになりました。バイエルン・ミュンヘンのロッベンは本当に凄いわ。世界最高クラスのドリブラー,ウィンガーですね。さてさて,ヨーロッパのクラブチームの頂点を極めるのは,バイエルン・ミュンヘンか,それともボルシア・ドルトムントか・・・。
またまた頂点といえば,日本の頂点,富士山が世界文化遺産として登録されることになりました。日本の誇りです。その美しさは万人が認めるところです。万葉集にも出てきますし,古今和歌集にも,そしてその他の古典にも当然のようにたびたび登場し,葛飾北斎の富岳三十六景にもその偉容と山としての様々な表情が描かれております。どうですかね,富士山という存在は,日本人にとっては,その姿を目にした時には決まって感動し,自ずと自分は日本国にいて,そして日本人なんだと再確認させてくれるような特別な存在なのではないでしょうか。要するにそれは日本人にとっては,単なる自然ではなく,原風景であり,「文化」なのです。富士山が世界自然遺産ではなく,世界文化遺産に登録されるのはそういうことからでしょう。今朝の讀賣新聞の記事によると,日本に帰化されたドナルド・キーンさんは,終戦後,海軍の通訳として帰国する船上において,日の光を浴びながら刻々とその美しい姿を微妙に変えていく富士山の姿を見て泣きそうになったそうです。
私が心から愛する名著「逝きし世の面影」(渡辺京二著,平凡社ライブラリー)にも,江戸後期から明治期にかけて相次いで来日した異国人は日本の文明に驚嘆し,富士山の美しさにも感動していたということが記されております。そのうちの一節を引用しておきます。
ミットフォード「午後のひととき、公使館のまわりをぶらぶらと歩いていると、不意に水平線から、なだらかに優美な曲線をえがき、白雪をいただく円錐形の山頂がくっきりと天空にそびえ立つ富士山の全容が、私の目に映った。私は名状しがたい強烈な興奮に駆られた。昨日までは考えもつかぬ狂気にちかい気持ちの高ぶりであった。そして、その時の異常な興奮はいまもなおその余韻がさめやらぬし、おそらく生涯の終わりまで消えることがないだろう。」