私の長嶋茂雄さんに対する熱い思いは,これまでにもこのブログで述べてきましたが,その長嶋さんと共に国民栄誉賞を受賞した松井秀喜さんも,これまた素晴らしい。
NHKのBSで,松井秀喜さんの特集番組が放映され,テレビチャンネルを回していた私は偶然にこの番組を目にし,そのまま引き込まれるように最後まで見ました。とても感動しました。この番組は第1部が松井選手が大リーグで叩き出した全部で175本のホームランの連続シーンでしたし,第2部が主として松井さんやヤンキースの元監督,同僚など関係者のインタビューを中心に構成されていました。
あの広い大リーグの球場で松井秀喜選手が叩き出した全部で175本のホームランシーンが次から次に連続で映されている間,私はなぜか泣けてきました。本当に凄い選手です。あの栄光のピンストライプのユニフォームを着て,豪快なホームランを打ち,ヤンキースの大人から子どもまでのファンを熱狂させる・・・。解説や言葉なしの連続シーンというのは,例えば映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストシーン(アルフレードがトトのために保存していた当時は放映禁止のキスシーンの連続)のように,なぜか人を感動させるものがあります。
それにしても,松井秀喜選手のホームランというのは打った瞬間にそれと分かる豪快なものです。175本の連続シーンの中には,相手投手が松井選手の一振りを目にした瞬間にもはや後ろを振り返りもせずに項垂れるシーンがいくつかありました。松井選手のホームランというのはそういうホームランです。
松井選手のヤンキース時代のほとんどを一緒に過ごしたジョー・トーリ元監督の「彼を一言で表現するなら”trustworthy”(頼れる男)だ。」,「松井の監督だったことを誇りに思う。」という言葉にまた泣けてきました。また,ヤンキースのキャプテンであるデレク・ジーターの「ヒデキは特別の存在だ。彼は決して言い訳をしない。とても尊敬している。」という言葉にまた泣けてきました。
ワールドシリーズでMVPに輝いた松井選手ですが,ケガに泣かされた面もあってその後はあまり活躍できませんでした。この番組では,「失業中」の彼がマンハッタンのある場所の地下2階のバッティングセンターで黙々とバッティング練習をしていたという知られざるエピソードも紹介しています。そして,引退を決意した松井選手が心情を語るシーンでは,自然の呼び声に応じて散ってゆく桜のような潔さを感じましたし,彼のマスコミ対応における誠実さなどからしても,武士道精神を思い起こさせるものがあります。
この大型連休の最終日は,テレビの前で泣いてばかりおりました(笑)。