それはたかだか30分弱という時間でしたが,私にとっては地獄の責め苦のような時間帯でした(笑)。私は刑事裁判の日には時間絶対厳守ということで自動車は使用せず,公共交通機関で移動することにしていますが,名古屋から四日市までの特急列車に乗っての移動中にその「地獄の責め苦」は起こりました。
午前9時50分発の○号車の7番Aの座席に静かに座っていた私は,さて少しばかり車内で仕事をしようかなと思っていた矢先,前方からけたたましい声で「7番,7番だっ!」という中年女性ら(どちらかというと還暦に近い年齢)の声と姿に接しました。迫り来る恐怖といいますか,得体の知れない不安感に苛まれている時間もなく,4人組の中年女性らは私の近くに闖入し,7番C,D,8番C,Dの席にどっかと腰を降ろしたのです。
それからは,その4人組は他の客の迷惑を全く顧慮することなく,大声でしゃべくりまくったのです。私は仕事どころではなく,ただひたすら子羊のように震えながら堪え忍んでおりました(笑)。やがて今度は,その4人組は午前9時50分というのにサンドイッチを大きな口で食べ散らかしておりました。もはや地獄絵です(爆笑)。食べている間くらいはせめて静かになるだろうと思ったのですが,やはり物を口に入れたままの大声の会話が伴っておりました。回りの乗客は一体どんな心境でその姦しい大音声の会話を聞いているのだろうと思いました。もうこの頃には私は,瞳孔が開きかけておりました(笑)。仮死状態になりながら(笑),内心でこの人たちはこの時間にサンドイッチを思いっきり頬張っているが,旦那や子ども達の朝食はちゃんと作ってあげたのだろうかと,余計な心配をしておりました。
一連の食事が終了した後,今度は菓子袋の「シャワ,シャワ」という音がし始め,お菓子をよってたかって頬張り始めたのです。この菓子袋の「シャワ,シャワ」という音はその後ほとんど絶えることがなく,バロック音楽における通奏低音のように,ただし不規則に続いていきました(笑)。やはり私はじっと子羊のように震えながら堪え忍んでおりました(爆笑)。そのおぞましくも大音声のけたたましい会話はその後も容赦なく続きました。あたかも周囲の者を奈落に突き落とすかのように・・・。それにしても,大声の会話,食事,お菓子,大声の会話,大声の会話,お菓子,大声の会話,お菓子,大声の会話,・・・少しは自分達の口に休息を与えてやったらどうかと内心思いました。彼女らの口が過労死してしまわないのだろうかと,全くしなくてもよい心配さえしてやったのです(笑)。
恐る恐る横目で7番Cの座席の人(距離的に私に最も近い)の様子を窺うと,最も地声の大きかったその人は,今度はあろうことかマニキュアを取り出し,姦しい会話を中断することなくそれを爪に塗り始めたのです。サンドイッチの残り香とシンナー臭さがないまぜになった車内・・・。もう,やりたい放題です(爆笑)。静謐を心から渇望している周囲の乗客の人権は蹂躙されたままです(笑)。
このけたたましい中年女性の4人組は,その手荷物の量からして日帰りの旅行を楽しんでいたのでしょう。でもこのマナー面での乱暴狼藉は度し難いものがありました。私は,何とか四日市駅までの30分弱でこの「地獄の責め苦」から解放されましたが,これが1時間も続いていたら,「急性」のノイローゼになっていたでしょう(笑)。
その昔,「オバタリアン」という漫画や言葉が流行りました。最近ではあまり耳にしません。「オバタリアン」という漫画の主人公は,特に世間に対し無神経に迷惑を掛ける存在として描かれておりましたが,これが転じて,一般的に無神経であつかましい中年女性のことを指すようになりました。
「オバタリアン」は今でも厳然と世に生息していたのであります(笑)。劣化した日本人の典型として。
「サウイフモノニ/ワタシハナリタ」くないし,妻や娘にも絶対になって欲しくはありません。