じり貧という言葉は,「じりじりと貧しくなる」の略で,もともとは第一次世界大戦の後,不況のために業績が悪化していく企業を指して使われた言葉ですが,次第に個人の場面でも使われ,じりじりと良くない状況に落ち込むこと,次第に状況が悪くなるさまを指します。
前置きが長くなりましたが,名古屋グランパスの現在の状況は正にじり貧で,不幸にして私の予言が当たりつつあります。グランパスは土曜日の試合でも鹿島アントラーズに1-3で敗れ,3勝6敗3分の14位・・・。J2降格争いをこれからしていく「勢い」です(笑)。現在の問題状況については,これまで素人の私が生意気にも指摘してきたとおりで,戦術の共通理解とその徹底がなされていないこと,そもそも戦術が存在しないこと,個に頼りすぎていて組織的なサッカーが全くできていないこと,その「頼るべき個」である選手自身のモチベーションが低くなっているのではないかと思われることなどです。
ストイコビッチ監督は,監督としてはもはや限界なのではないでしょうか。あの悪夢のような民主党政権の終焉により,やっと日本が元気になりつつありますが,グランパスの監督も政権交代の時期では・・・。ストイコビッチ監督は,組織的なチームを作っていこうとしているのでしょうか(もう5年以上も経過しておりますが),そして次週に対戦する相手チームのビデオを分析して戦い方を研究し,選手達に周知徹底しているのでしょうか。かつてグランパスを率いていたアーセン・ベンゲル監督のような,また現在チームを首位に導いている大宮アルディージャのズデンコ・ベルデニック監督のような監督としての知性を感じません。チームを何とか組織的に,有機的に機能させていこうとする熱意が感じられないのです。
ネット情報ではありますが,名古屋グランパスはJ1のチームの中でも最も練習量が少ないそうです。ストイコビッチ監督自身,その現役時代を振り返りますと,旧ユーゴスラヴィアの名門レッドスター・ベオグラードのきら星のように輝く天才集団(ロベルト・プロシネツキ,シニシャ・ミハイロヴィチ,デヤン・サビチェヴィッチなどなど)の中でもとりわけ輝きを放っていた天才選手でした。天才肌にありがちな,技に溺れる傾向,ほどほどの練習量と本番で爆発させればよい個人技・・・。監督になっても結局は個人技頼みなのでしょう。だから敗戦の弁はいつも選手の責任になることが多いのです。要するに,今の名古屋グランパスの試合内容を見ておりますと,全く組織というものを感じません。また,どんなサッカーを目指しているのかさえ分かりません。
このままでは残念ながらじり貧でしょう。