これは私たち弁護士に限らず,一般の方々もそうだと思うのですが,紛争の相手方と示談や和解をする場合には,必ず示談書や和解書の最後には清算条項というものを入れます。例えば,「甲と乙は,当事者間には,本和解条項に定めるもののほか,何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。」という条項を入れます。というのも,せっかく示談や和解の際に賠償金や和解金を支払っても,このような清算条項を入れておかないと,同じ紛争が後日蒸し返される恐れがあるからです。「あの賠償金では足りなかった。」とか「あれには慰謝料が含まれていなかった。」とか・・・。
元徴用工と称する韓国人が,新日鉄住金や三菱重工業を相手取って損害賠償請求訴訟を提起し,あろうことか韓国大法院(最高裁みたいなもの)が個人賠償請求権を肯定し,ソウル高裁に差し戻したものですから,ソウル高裁は「それなら」ということで新日鉄住金に賠償を命じる判決を下しました。また,釜山高裁も同様に三菱重工業に同じような判決を下しました。もう,むちゃくちゃです(爆笑)。
あのね,こういった問題は日韓基本条約と請求権協定でとうの昔に解決済みなのでしょう。それが国際法というものです。それが法治というものです。そしてこんな馬鹿げた訴訟が平成9年に日本で起こされ,平成15年には最終的に原告(韓国人)が敗訴し,その後に韓国の裁判所で起こされた同様の訴訟でも,日本での確定判決の効力を認めて請求が退けられていたのでしょう。あの反日的態度を徹底していた廬武鉉政権の時でさえ,同じ解釈をしていたのです。
ところがどうです,最近の韓国の反日的姿勢のエスカレートぶりは・・・。李とかいう元大統領の竹島への違法上陸,天皇陛下を貶める断じて許せない言動,新大統領になってからも「歴史問題」の振りかざし,安重根の像をハルビンに建てることを習近平に直訴,東京オリンピック招致に対する妨害工作,アメリカの一地方議員を籠絡して「従軍慰安婦」像の設置・・・などなど,傍若無人ぶり,厚顔無恥ぶりはとどまるところを知りません。
ソウル高裁への差し戻しを認めた韓国大法院(最高裁みたいなもの)は「・・・日本による韓国支配は違法な占領に過ぎず、強制動員自体を違法とみなす韓国憲法の価値観に反している」などとして個人賠償請求権を認めております。もはや何をか言わんやです。「価値観」ですか・・・(笑)。日韓基本条約と請求権協定は一体どこに吹っ飛んじゃったんでしょうか。国際法も何もあったもんじゃなく,もはや法治ではありません。情念というか政治そのものというか,これが韓国の司法の最高峰なんですか。
考えてみますれば,韓国という国はそういう国なのかもしれません。反日ならば何でもありという感じです。評論家西村幸祐さんが韓国の驚くべき反日的な法律について次のように指摘しています。
「廬武鉉大統領時代の二〇〇四年に、信じられない法律が韓国国会で成立した。『反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法』、別名『親日派糾弾法』といい、日韓併合から併合時代も含めて、つまり三十五年間の日本統治時代に日本に協力した人間は、その子孫の財産を全部、没収するという、時代錯誤も甚だしい悪法である。中世や古代ならともかく、この様な事後法が制定されるということが、まず近代国家ではあり得ない。事後法とは簡単に言えば、現時点でたとえば禁酒法が制定されたとして、過去に禁酒法を破った人間をいまできた法律で裁くというものだ。それも過去に遡って日本に協力した人間の子孫にまで罪をかぶせるという、常軌を逸した差別感覚だ。」(「『反日』包囲網がアベノミクスを壊す-トクアノミクスの正体」114頁,西村幸祐著,文芸社)。
さてさて,新日鉄住金や三菱重工業は上告して争うといいますが,何しろ韓国大法院ですから結果は見えてますよね(笑)。原告らが確定判決に基づいてこの二企業の社有財産に強制執行申立をしてくるようなことがあれば,本気で韓国からの資本を引き上げて撤退することを考えるべきではないでしょうか。中国と同様,カントリーリスクが大き過ぎます。次から次に同じような国際法違反の訴訟が提起されてしまう可能性もあります。考えてみれば,韓国の対外債務は増え続け,その外貨準備の中身も極めて脆弱で(そのうちのアメリカ国債の比率は僅か12%程度),輸出依存度は50%を超え,貿易依存度全体では100%を超え,韓国特に虎の子のサムスンなどは日本からの部品や生産財輸入なくしては立ちゆきません。あんまり調子に乗って日本を貶めてはいけません。ここは是々非々主義でいくべきでしょう。