第二次安倍政権は,来年4月からの消費税率アップの可否について様々な人から意見を聴取し始めたようですね。こういった人選を見ても,そして政権を支える自民党議員の動きを見ても,さらにはこの問題では財務省の走狗となっているマスゴミ,いやマスコミの報道姿勢を見ても,消費増税は不可避のようですし,こういった意見聴取も「形作り」なのではないかと勘ぐっております。
私は経済のこともよくは分かりませんが,この問題については内閣官房参与の浜田宏一イェール大学名誉教授や同じく内閣官房参与の本田悦朗静岡県立大学教授らの意見になびいてしまいます。1997年の消費税率アップがいかに需要・消費の冷え込みと税収減を招来し,それ以降の長期にわたるデフレ経済の元凶となったのか・・・。私はいずれ消費増税は必要だと思っておりますが,時期を考えなければなりません。せっかくのデフレ脱却政策が日の目を見る前に腰折れになってしまうのではないかと危惧しております。要するにアクセルとブレーキを同時に踏んでしまっているような・・・。1997年の消費増税前の年間税収が約53兆円あったのに,その後のデフレ経済の継続で,今や42兆円程度になってしまいました。少しは学習すべきではないでしょうか。
まずはデフレ脱却が最優先課題で,名目GDPを増やし,そして税収も増やしていくのです。そして日銀が目指しているように2%のインフレターゲティングが実を結んだ暁に,消費税率を上げれば良いではありませんか。
さて,それにしても財務省というのは本当に腹黒く,姑息としか言いようのない行動に出ております。これはあるブログで指摘されていたことですが,財務省はとにかく消費税を上げたい一心で,ホームページの内容面でも節操もなく,こっそりと修正しております。本当に姑息です(笑)。
財務省のホームページの内容の一部が,節操もなく,こっそりと次のように変更されていたのです。
「問い 日本が財政破綻した場合、国債はどうなりますか。」
「答え 国債は政府が責任を持って償還いたしますので、ご安心ください。」
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「問い 日本が財政危機に陥った場合、国債はどうなりますか。」
「答え 仮に財政危機に陥り、国が信認を失えば、金利の大幅な上昇に伴い国債価額が下落し、家計や企業にも影響を与えるとともに、国の円滑な資金調達が困難となり、政府による様々な支払いに支障が生じることになります。そうした事態を招かないよう、財政規律を維持し、財政健全化に努めていく必要があります。」
「財政破綻」を「財政危機」に振り替えておりますが,もうなりふり構わず消費税を上げたいのでしょう。自国通貨建ての日本国債が破綻したり,償還不能ということは考えられないでしょうに。
まとまりのない記事になりましたが,現日銀副総裁の岩田規久男学習院大学教授の著作に,とても面白い記述がありましたので,紹介しておきます(「リフレは正しい-アベノミクスで復活する日本経済」151~152頁,岩田規久男著,PHP研究所)。
「では、なぜ財務省はデフレ下でも増税したがるのでしょうか。すでに述べた通り、実は財務省というのは狭い範囲でしか経済を見ていません。たとえば、名目成長率を上げることは財務省にはできません。当然、金融緩和や量的緩和を採用したり、インフレ目標を設定することもできません。そのため、財務省は自分でできる範囲のことしか見ていないのです。できることは増税と歳出カットしかないのです。しかし、デフレ下では増税をしても税収が上がらなかったというのが、これまでの経験です。消費税にしても、一九九七年に税率が上がりましたが、税収が増えたのは最初の年だけでした。しかも大幅に増えたわけではありません。さらに、その後は税収が減り続けています。その理由は、名目成長率が落ちたからです。要するに、財務省はそういったマクロ的な影響と言いますが、自分のしたことの反作用までは考えていないのです。言ってみれば『小さな庭』で考えていますから、『増税したら増税した分だけ増える』と思っているわけです。同様に、歳出カットをしたら、その分だけ財政がよくなると思って居ます。しかし、実はその反対で、歳出カットをするとデフレを加速することになり、GDPは減ってしまいます。その結果、税収は減ることになります。」