先日晩酌の時でしたかね,うちのカミさんから聞いた話ですが,歩きながらのスマホに夢中になり,踏切内でその人が電車にはねられて亡くなったそうです。私は最初はホントかなと疑いましたが,ネットで調べてみると本当の話だったようです。東京都板橋区大山東町の東武東上線大山-中板橋駅間の踏切で,線路内に立ち入った男性が小川町発池袋行きの急行電車にはねられて死亡したとのことで,その事故当時,遮断機は下りていたけれどもその男性が携帯電話を見ながら遮断機と遮断機の隙間から線路内に立ち入り,はねられたとのことです。亡くなった方のご冥福をお祈りしますが,何もそのような形で命を落とさなくてもよかったのではと思います。死者にむち打つことになりますが・・・。
私は,人通りのある路上をスマホなどを操作しながら歩いている人を見るととても嫌な気がしています。普段,少しいましましく思っている光景なのです。全国でも歩行者や車と接触したり駅のホームから転落したりする事故も発生しています。彼らはなぜ,しかるべき時と場所で操作できるまで待てないのでしょうか,なぜ他人に配慮ができないのでしょうか。時には,自転車に乗りながらスマホなどを操作しているバカも実際に目にします。「江戸しぐさ」の中には,「肩引き」や「傘かしげ」というものがあります。「肩引き」というのは,道を歩いて人とすれ違う時に肩と肩がぶつからないように左肩を路肩に寄せて歩くことを指しますし,「傘かしげ」というのは,雨の日に互いの傘を外側に傾け,濡れないようにすれ違うことを指します。人口が多く,必ずしも幅が広くない道が多かった江戸で,みんなが気持ちよく往来を行き来することができるための知恵とルールだったのです。
ところが,歩きスマホなどをしている人たちは,「ぶつからないようにあなたの方で注意して避けて。」とでも言っているかのように,自分が他者に配慮することは一切放棄し,むしろ他者の方に自分への配慮を求めています。「江戸しぐさ」の精神とは真逆です。
東京・新宿駅では8月5日から18日までの2週間,東口出口付近の階段及び側面部分に「危険です、歩きスマホ。」という注意喚起を促すメッセージが掲出されたそうですが,日本という国はこんなメッセージをいちいち流さなければならないような国に成り下がってしまったのでしょうか。非常に嘆かわしいし,日本人の劣化を思ってしまいます。自分がスマホを持っていないからといって,ひがみで言っているのではありません(笑)。