先日,午前11時40分ころにちょうど裁判が終わりましたので,その喫茶店に行ってエビピラフとホットコーヒーを注文しました。その喫茶店には私がまだ20代で裁判所に勤務していた当時,同僚と一緒によくランチに来ていた店です。その当時は威勢のいいおカミさんのような女性経営者がおりましたが,20数年経った今ではその方ももういません。でも店の雰囲気は当時と同じです。昔はよく,そのお店のハンバーグカレーを食べました。「バーグカレー」と呼ばれておりましたが,ご飯と大きなハンバーグにカレーが添えられているやつです。美味しかった記憶です。あれからもう20数年が経ったのかと思うと,カウンターでコーヒーを飲みながら月日の経つのは早いものだとつくづく思いました。人間って,あっという間に年をとりますね(笑)。
さて,話は変わりますが,私は第二次安倍内閣の発足を心から願い,基本的には今でもその気持ちは変わりません。あたかもこの日本を弱体化させるかのように放置されてきたデフレ経済,近隣諸国にナメられっぱなしの軟弱で売国的な外交,教育の荒廃,憲法改正などなど,日本のかかえる諸問題を一つずつやりこなしていけるのは,安倍内閣しかないと思ってきたからです。
しかし,ここにきて,私と同じような期待をもっている保守層の中には,現在の安倍晋三首相に疑問を投げかけている人たちもいます。第一次安倍内閣の時に靖国神社に参拝できなかったのは「痛恨の極み」だといいながら,春季例大祭,終戦記念日,秋季例大祭のいずれにも参拝できていませんし,いわゆる集団的自衛権行使の議論も先送りし,いずれ増税は避けられないにしてもデフレ経済脱却に向けての有効な政策実行の成果を見届ける前に消費増税を決定し,アクセルとブレーキを一緒に踏むという愚を犯しています。
それでも現在の政界を見渡しても,中川昭一という国士のいない今,安倍晋三という人物を除いては他に期待し,託せるような人物はあまり多くはないという悩ましい状況でもあり,保守層の悩みもとても大きいのですよ。現在の状況については,安倍晋三が自由民主党総裁選挙の際に述べていたような「公約」内容とは少なからず齟齬しており,ガッカリする面も少しあるのですが,もうちょっと長い目で見ていかなければならないのでしょうかね。
そんな印象を抱きながら過ごしているところ,本日の産経新聞の「正論」には拓殖大学大学院教授の遠藤浩一さんの論稿が掲載されており,腑に落ちる部分がありました。引用しておきましょう。第二次安倍政権に期待している私も同感なのです。
「最近、永田町や霞が関では、安倍内閣というポリティカル・キャピタル(政治資本)を大切にして懸案を解決していくべきだという声がよく聞かれる。異存はないが、政治資本の維持という「手段」が「目的」と化したとき、安倍首相が懐深く抱く国家再建という真の目的は、むしろ遠ざかっていく。まもなく政権発足1年。安倍政権は真価を問われている。」