うちのカミさんと娘はそれぞれ自分の自転車を持っていますが,私は自分の自転車を持っていないため,仕事でもプライベートでもよく歩き,自転車には乗りません。タクシーや公共交通機関を利用していない限り,私はいつも「歩行者」なのです。
でも,前にもこのブログに書いたことがありますが,歩行者としていつも不快に思い,時には恐怖感さえ覚えるのは,マナーの悪い自転車乗りです。私が敵視しているのは(笑),自転車そのものでも,自転車を利用している人一般でもありません。あくまでも「マナーの悪い自転車乗り」なのです。私にとって彼らは仮想敵国なのです。
彼らはもの凄いスピードで歩行者の脇を通り過ぎて行きますし,人と人との間隔が余りない所でも決して自分が譲歩することなく,徐行もせずに縫うようにして通過していきますし,信号の変わり目近くになれば他者に注意を払うこともなく猛スピードで交差点内に進入していきます。時にはスマホや携帯電話をいじりながら自転車に乗っているバカも珍しくありません。そういえば,昨日の朝だって顔も体型もバカボンにそっくりな高校生風の男子が,両ハンドルから完全に手を離し,イヤホンか何かをいじりながら自転車を走行させておりました。自転車といっても,道路交通法上「軽車両」に分類はされておりますが,「車両」の定義に含まれているのです。マナーの悪い自転車乗りは「車両」に乗っているという自覚がありません。残念なことですが,マナーという点,そして他者への思いやりという点では,確実に日本人が劣化しているなと痛感します。自宅から事務所まで徒歩通勤をしていますと,「マナーの悪い自転車乗り」のために毎日と言っていいほど不快な思いをさせられているのでござるよ。
新聞でも報道されていましたが,自転車に乗って赤信号を無視し,当時75歳の主婦に衝突の上死亡させてしまった事案で,東京地方裁判所は1月28日,損害賠償として約4700万円を支払うようこの自転車乗りに命じました。同じ自転車の事故で,昨年の7月には神戸地方裁判所で加害男性には約9500万円の支払が命じられています。また,携帯電話を操作しながら自転車を走行させ,自転車同士の正面衝突で相手に重症を負わせた男に対し,昨年10月でしたか大阪簡易裁判所は刑事罰として罰金20万円を科しました。自転車とはいえ,人身事故を起こせばもちろん刑事事件にだってなる訳ですし,東京地方裁判所で約4700万円の支払を命じられた人は,刑事事件としても立件,起訴され,重過失致死罪で禁固2年,執行猶予3年の判決を受けてもいます。
そういえば,うちの事務所の書棚の中には「自転車事故 過失相殺の分析-歩行者と自転車との事故・自転車同士の事故の裁判例-」(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部過失相殺研究部会編著,きんざい)という本もあるくらいです。自転車事故というのは決して人ごとではありません。
私なんか,本当は朝の清々しい空気を吸いながら散歩気分で徒歩通勤したいのに,マナーの悪い自転車乗りのおかげでいつもビクビクしているのです(笑)。何しろぶつけられたらイヤですからね。私が万が一国会議員になったら,マナーの悪い自転車乗り対策の一環としてさらに道路交通法上の罰則を強化するでしょうし,自転車の製造面では一定限度以上のスピードが出せないような規制を加えたい,かように考えております(笑)。