台風一過となりましたが,台風が来襲する前日(日曜日)の横浜も相当な雨風でした。5日の日曜日,私は家族(カミさんと娘)と一緒に中華街でとてつもなく辛い麻婆豆腐などを食べた後,横浜のみなとみらいホールにおいて,ミュンヘン・バッハ管弦楽団の演奏で,バッハのブランデンブルク協奏曲全曲を聴きました。
ミュンヘン・バッハ管弦楽団といって直ぐに思い浮かぶのは,何と言っても創始者であり初代の音楽監督であったカール・リヒターですが,実は私はミュンヘン・バッハ管弦楽団の生の演奏を聴くのはこれが初めてでした。私が1970年前後のカール・リヒターの指揮による演奏を何度も何度も観たり聴いたりしていたのは,あくまでもDVDやCDででしたから・・・。
リヒターの時代のバッハのブランデンブルク協奏曲のDVDを観ておりますと,コンサートマスターはオットー・ビュヒナー,ホルンはヘルマン・バウマン,フルートはオーレル・ニコレ,バロックトランペットはピエール・ティボーなどなど,より名人級,職人級を集め,より張り詰めた雰囲気と,何よりもリヒターのカリスマ性が横溢していたと思いますが,日曜日に横浜で聴いた現在のミンヘン・バッハ管弦楽団の演奏も素晴らしかったと思います。ミュンヘン・バッハ管弦楽団の伝統は確かに今も生きているような気がします。本当に感動的な演奏でありました。
感動のあまり,不覚にも二度ほどひとすじの涙が右の頬を伝ったのでありました。あとで尋ねてみると,娘もカミさんも泣きそうになったと言っておりました。でも実際に涙を流したのは私だけでしたけどね(笑)。
私が思いますに,この演奏を聴いて,家族揃って泣きそうになったり実際に涙が流れたというのは,ミュンヘン・バッハ管弦楽団の演奏の素晴らしさもさることながら,何よりもバッハの音楽の素晴らしさによるものだと確信しております。特にブランデンブルク協奏曲は,ケーテン時代に成立したもので,バッハがライプツィヒ時代のように多忙を極めてはおらず,作曲に集中することができた時期の作品で素晴らしく充実しています。第1番から第6番まで(いずれも長調で書かれております),どれをとってもバッハ作品の魅力に溢れているのですよ。
私たち家族は感動に包まれつつ横浜を後にしたのですが,私はというと,崎陽軒のシウマイを買って帰ることも忘れてはおりませんでした(笑)。