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弁護士ブログ

2014/12/05

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 皆さんは将棋には興味はないですか。このブログでもたまに将棋の話題を出しますが,それは私が中学生から高校生の時代にかけて将棋に熱中したことがあり,今でも割と興味を持っているからです。当然のことながら勝負事ですから非情な面がありますが,ゲームとして将棋はとても面白いと思います。チェスと違って日本の将棋は得た駒を使うことができるという特徴もありますし,棋士の対局を見ていても礼儀が重んじられ,日本の良き伝統が今も生きていると思います。

 

 実は昨日は急いで書き上げなければならない準備書面作成の仕事があったのですが,思いのほか時間がかかってしまい,仕上がりが午後7時ころになってしまいました。それもそのはず,昨日は第27期竜王戦の第5局(第2日)がネットで中継されており,それをたまに覗きながらやっていたからです(笑)。特に終盤は釘付けになってしまいました。

 

 というのも,森内俊之竜王に対して,糸谷哲郎七段が挑戦し,ここまで糸谷七段が3勝1敗とし,この第5局に勝てば新竜王の誕生,森内竜王が失冠してしまうという大一番だったのです。私の場合は特に贔屓の棋士はおりませんが,羽生善治名人と並んで森内俊之竜王は40代半ばでよく頑張っているなと感心しておりましたので,内心は森内竜王を応援しておりました。

 

 しかしながら,この第5局も終盤まで森内竜王が優勢であったにもかかわらず,時間配分のミスという面もあったでしょうが,緩手が出てしまい,森内竜王の逆転負けとなったのです。糸谷新竜王の誕生と相成りました。

 

 思えば,名人と竜王というのは将棋界の双璧というべき二大タイトルです。森内俊之九段はついこの間まで名人と竜王の二大タイトルを保持しておりました。これは実は凄いことなのです。でもこの一年の間に名人と竜王のタイトルを相次いで失ってしまいました。勝負の世界の決まり事とはいえ,非情な世界です。男子プロゴルフの世界では藤田寛之プロが「中年の星」などと言われて活躍されているのは喜ばしいことで,将棋界でも何かしら中年を応援したくなるのです。私の場合は年齢的にはもう中年の域を過ぎてはおりますが・・・。ですから,このたびの森内俊之九段の失冠は少し残念です。

 

 実はもう一つ残念だなと思うことがあるのです。確かに今回の竜王戦においては糸谷七段は強かったのでしょう。そして最近の森内九段の戦績からすれば不調だったのでしょう。そういう意味では現時点での実力の反映であり,妥当な結果だったとも言えます。でも,糸谷七段の対局マナーについては従前から問題視されていたようであり,その問題の対局マナーが相手対局者である森内九段になにがしかの影響を与えてしまったことは否定できないのではないかと思います。

 

 糸谷七段はとにかく対局中に頻繁に離席します。この第5局の最中もその離席の回数はとてつもなく多く,時には僅かの時間に3回も離席を繰り返し,全く落ち着きというものがありません。こんなに頻繁に離席を繰り返すようですと,相手対局者に思考の中断を余儀なくさせるような面があるでしょう。

 

 以前の対局では糸谷七段が離席したまま昼食休憩の時間を迎えてしまったということもあったようです。また,これは読売新聞でも記事になっていたのですが,対局室が屏風で仕切られ,その屏風の向こう側で手を考えながら歩き回り,その衣擦れの音が屏風のこちら側にも聞こえてしまうそうです。たまりかねた森内九段は耳栓をしていたとのことです。相手対局者が指してその手が元に戻る前に即座に自分の手を指すということもあったようです。

 

 はたまたこれは第5局で起こった出来事ですが,糸谷七段が2二角成とした時に,その指が2三の地点にあった森内竜王の歩に触れて歪んだ状態にしてしまったにもかかわらず,それを直さずに放置したという「事件」もありました。対局マナーの悪さに森内竜王も内心では辟易していたのではないでしょうか。勝負師なのですからそんな逆境を跳ね返すくらいの精神力がなければダメだという意見もありましょうが,森内九段に少し気の毒な今回の竜王戦ではありました。

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