アメリカ司法省が,国際サッカー連盟(FIFA)の副会長ら14人を訴追したと発表しましたね。汚職(贈収賄)に関与した疑いでの訴追です。
それにしても私がとても疑問に思いましたのは,その翌日に開催されたFIFAの年次総会でブラッター会長が5選を果たしたこと,そしてブラッター会長が何ら悪びれることもなく「レッツゴー!FIFA」などと叫んで勝ち誇っていたことです(その年次総会の会場には51歳の愛人を隣に同席させていたとのこと)。確かにブラッター会長は世界的な企業と次々にスポンサー契約を締結し,さらには巨額の放送権料を設定してFIFAに巨額の資金をもたらし,サッカーを巨大ビジネスに育て上げました。
でも,この世界はかつてのIOCと同様,利権をめぐる不正疑惑,W杯開催地を決定する権限を持つ理事らに「金権体質」がはびこる温床となっていました。深い闇があるのです。5選を勝ち誇っていたブラッター会長のこれまでの17年にわたる長期の在任期間中に,贈収賄にまみれた組織を刷新することはできなかったのです。そしてこのたびは汚職(贈収賄)の容疑で元副会長が逮捕されたり,訴追されたりしているのでしょう。会長が何らの責任も感じていないというのはどう考えてもおかしい。
欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長が年次総会の前日にブラッター会長に辞任を迫ったり,イングランドサッカー協会のグレッグ・ダイク会長も2018年W杯ロシア大会をボイコットする可能性を示唆したとの新聞報道もあり,これらのことも頷けます。というのも,FIFA本部のあるスイスの検察当局も,2018年(ロシア)と2022年(カタール)の各開催地決定をめぐっても不正があったとして本格捜査に入ったからです。やはり問題の闇は深い・・・。
ついでに,2002年の日韓W杯での審判買収疑惑,つまり韓国がベスト4に進出するまでの対イタリア戦と対スペイン戦の極めて不可解な判定についても捜査してくれないかしら(笑)。この2つのゲームは「世紀の10大誤審」に堂々ランクインしているのです(笑)。あの名選手ゲイリー・リネカーも「一つ確かなのは今回の韓国の勝利に名誉が伴っていないことだ。後年日韓W杯を振り返ったときにトルコやセネガルに米国,スウェーデン,ベルギー,日本の健闘が称賛されることはあっても韓国が称賛されることは決してないだろう。」とコメントしているくらいなのです。