ついに「その3」です(笑)。我が国に対し,中国や韓国は鬼の首を取ったように「歴史に真摯に向き合え!」などと要求します。本当にいい加減にしてもらいたいものです。中国などは9月に入って早々,戦勝国だと称して,とてもグロテスクな軍事パレードまで予定しています。もっとも欧米の主要国の首脳はロシアを除いて全く参加すらしませんが(笑)。
そもそもですよ,歴史認識というものはこれが決定版だというものはなく,当事国にはそれぞれの立場というものがあります。いわゆる東京裁判史観は,所詮は戦勝国による押しつけの歴史観に過ぎません。これとは異なる認識を示したとしても,「歴史修正主義者」などと非難されるいわれはありません。
月刊誌「正論」9月号には,「終戦70年、日本人へ」と銘打った特集記事が掲載され,そこで渡部昇一さん(上智大学名誉教授)が述べているように,東京裁判については日本だけでなく世界中の識者がその誤謬を指摘しています。以下,渡部さんが指摘しているように,マッカーサー自身がこの東京裁判は無意味だったと認めておりますし,裁判の約2年後のアメリカ上院の軍事外交委員会で「Their purpose,therefore,in going to war was largely dictated by security.」と証言し,日本が先の戦争に入ったのは主として自衛のためだったとの認識を示しているのです。
これまたそもそも,「侵略」という言葉には国際法上は定義というものはありません。日本には,ドイツのナチが行ったように,ユダヤ民族という特定民族の抹殺,大量殺戮といった誠におぞましい行為はありません。そこで東京裁判では昭和3年以降の日本の歩みを裁こうとしました。具体的には不戦条約,ケロッグ=ブリアン条約を日本は結んでいながらこれを破ったという理屈を立てます。
しかし,東京裁判において,インドのパール判事は,「不戦条約が結ばれたとき、アメリカの議会も不戦条約自体に反対したではないか。」と鋭く指摘し,不戦条約にいう「戦争」とは全ての戦争を意味するのではなく,「侵略戦争」に限って禁じたのだとするアメリカのケロッグ国務長官の説明なども列挙しました。それではそもそも「侵略」戦争とは何か。ケロッグの説明は「それは国境を越えて、攻め込まれた場合だけではなく、国家の安全を犯す経済的な脅威を受けた場合も、侵略戦争を受けたことになる」というものでした。そして自衛戦争は禁止されてはおらず,何を自衛権の行使に含めるかは当事国の判断に委ねられているということも説明されていたのです。大東亜戦争直前,日本はいわゆるABCD包囲網で経済的に窒息させられそうになっており,これは不戦条約の提案者の一人であったケロッグの説明では「侵略」を受けたことになるでしょう。このようなことから,パール判事は,ならば日本を不戦条約違反などで裁くことはできないと正当にも論破し,無罪の意見を堂々と展開したのです。
「戦後70年(その3)」というタイトルでしたが,「その3」があるということは,ひょっとしたら「その4」があるかもしれません(笑)。