長らくブログを更新できないでいました。お久し振りです(笑)。
とにかく忙しくて忙しく,この3月は嵐のような1か月でした。もう少し仕事を要領よくやらねばという自戒もありますが,やることが多すぎてブログの更新ができませんでした。それに,もうお気づきの向きもあろうかと思いますが,当事務所のホームページも一新しました。そういった事情もあったのです。
さて,もうちょうど1か月前になりますが,バッハ好きの私としては,あの世界的名指揮者ニコラウス・アーノンクールの訃報に触れないわけにはまいりません。彼は今年3月5日に86歳で鬼籍に入りました。
アーノンクールと言えば,ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを率いた古楽器を使用した音楽の再生で著名な指揮者です。残念ながら私は生でその演奏を聴いたことはなかったのですが,レコード,CD,DVDなどで,アーノンクールのバッハを何度も何度も味わってきました。カール・リヒター率いるミュンヘンバッハ管弦楽団は主に現代楽器を使用し,リヒターは何と言っても音楽の求道者であったという印象をもっておりますが,古楽器にこだわったアーノンクールもまた求道者であったと言うべきです。
アーノンクールがウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを結成したのが1953年で,古楽器を用いた演奏でモンテヴェルディやバッハ,そしてウィーン古典派をはじめとする作品に独自の解釈を示したのです。
アーノンクールの訃報に接した晩,私は自宅にあったDVDを引っ張り出して聴いて見ました。DVDの映像には生き生きとした指揮ぶりのアーノンクールの姿があり,ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの楽団員(この中ではアーノンクールのアリス夫人もヴァイオリニストとして活躍),そしてアーノルト・シェーンベルク合唱団員のいずれもがこの巨匠に多大の尊敬の念を抱いているようでした。このDVDは,2000年12月8日メルク修道院(オーストリア)におけるライブ録音で,曲目は勿論私が大好きなバッハの曲です。教会カンタータ第61番(いざ来れ、異邦人の救い主よ),同第147番(心と口と行いと生活),マニフィカートです。誠に素晴らしい。感動しました。アーノンクールはあの世でリヒターと言葉は交わしたのでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。
さて,桜が本当に綺麗です。自然の呼び声に応じていつでも散る覚悟ができている桜の花びらは,潔さと共に儚さを感じさせます。
「願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ」(西行)