リオデジャネイロ・オリンピックも既に前半のかなりの部分が終了したと言えるのですかね。柔道にしても,水泳にしても,そして体操にしても,そしてその他の競技にしても,日本人選手団の素晴らしい活躍ぶりに,夏バテ気味の私も大いに元気をいただいております。
それにしても,柔道の競技を観ていてあらためて思うのは,日本の柔道の美しさです。それは技そのものの美しさだけでなく,礼節の美しさを含めてです。柔道という競技,試合の最近のオリンピックや世界選手権の状況を観ていて,私は実は柔道という競技は本当にこんなものだっかのかしらと疑問をもっていました。日本の柔道が本来持っている美しさが感じられなかったのです。それは外国人選手の中には,組み手争いであたかもボクシングのようなことをやっていたり,戦い方がモンゴル相撲のようであったり,腰を大きく後ろに引いた極端な防禦姿勢や偽装の「投げ」でたびたび指導を受けたり,今では禁止されているようですがやたらに足を取りにいったり(笑),切れ味鋭い技など全く影を潜め,時間稼ぎの明らかな優勢勝ち狙いだったり,さらには試合終了後の派手なガッツポーズなどを見せたり・・・・・などなど。
柔道という競技はこんなに美しくないものだったのかという疑問です。ついでに言うと,確かに白と青の柔道着は視覚的にも区別しやすく,外国人には受けが良いのでしょうが,やはり柔道着は白が良い(笑)。帯の色で区別すればよいのではないでしょうか。
しかし,このたびのリオデジャネイロ・オリンピックでの日本人柔道家の柔道を観ていまして,あらためて日本の柔道の美しさを感じました。誠に天晴れです。特に,男子73キロ級で金メダルを獲得した大野将平という柔道家には感心しました。内股,巴投げ,小外刈りなど非常に美しい見事な一本勝ちです。日本柔道の面目躍如です。やはりこういう柔道が観たい。彼は試合直後のインタビューでも,「柔道という競技のすばらしさ,強さ,美しさを見ている皆様に伝えられたと思います。」と「コメントしています。
それと,この大野将平という柔道家は,試合直後の畳の上では,まるでうれしくはないのかと思われるほど自分の感情を抑え,もちろん派手なガッツポーズなどもしませんでしたが,彼はその理由については次のように語っています。
「相手がいる対人競技なので,相手を敬おうと思っていました。冷静に綺麗な礼もできたのではないかと思います。日本の心を見せられる場でもあるので,よく気持ちを抑えられたと思います。」
これですよ,これ。これぞ日本柔道の真髄です。