すごいですね,大坂なおみさんというテニス選手は・・。全米オープンの決勝戦で日本人初のグランドスラム優勝を果たしました。あの女王セリーナ・ウィリアムズ選手を見事破っての優勝なのです。
しかし,動画で見たのですが表彰式の始め頃は異様な雰囲気でした。何と,心ない人々からのブーイングが続いたのです。このブーイングの意図は,主審の判断に対する抗議なのか,あるいは結果に対する不服なのかは分かりません。しかしながら,どうあれ,勝者に対するリスペクトを欠き,極めて失礼です。
表彰式で本来は祝福を受けるべき大坂選手は,期待された結果でなくてごめんなさいと言って謝罪し,涙を流したのでした。残念ながらうれし涙とはほど遠い涙であり,動画を見ていた私もとても残念でした。彼女が謝罪する必要など全くないのです。
それにしても,テニスコートにおけるウィリアムズ選手の振る舞いはとても見苦しかったと言わざるを得ません。主審から受けた第1回目の警告はスタンドのコーチ席に座っていた自分のコーチからコーチングを受けたというものです。
これに対してウィリアムズ選手は「私はコーチングなど受けていない。不正などしていない。なのに,このペナルティはおかしい。」として主審に猛抗議です。本人はコーチングには気付いていなかったのかもしれませんが,コーチングをしたこと自体は当該コーチ自身が認めています。
怒りが収まらないウィリアムズ選手は,自分のラケットを思いっきり地面に叩き付け,ラケットはぐにゃりと壊れました。余りにも見苦しい行為であり,見ている者に不快感を与えます。この行為で主審からは2回目の警告を受けます。
ウィリアムズ選手は怒りと興奮が収まらず,主審に対し,「私は生まれてから一度も嘘をついたことがないのに、この嘘つき!」,「私のポイントを奪った泥棒!」,「謝りなさい!」と言いたい放題。この暴言にラモス主審は3回目の警告を発し,1ゲームの重いペナルティを科しました。審判としては当然の判断,措置だったと思います。
こういった振る舞いに直面し,しかもウィリアムズ選手を支持するファンの声援もあるといった異様な雰囲気の中,大坂選手はきっちりと実力を発揮し,勝利という結果を出しました。相当に強い精神力を備えていると思います。
それにしても,プロテニスプレーヤーにとって,ラケットは商売道具であり,本来は大切に扱うべきものでしょう。いつも思うのですが,ゴルフでも,テニスでも,野球でも,感情を抑制できずに物(道具)に当たって乱暴に扱う姿を見ると,不快感を覚えます。くどいようですが,とても見苦しい。
アーノルド・パーマーというゴルフの名選手は,マナーに関し,自分の父親から受けた諫めのことを述べております。パーマーが17歳のジュニア大会に出場した際,短いパットを外した悔しさで感情をコントロールできず,パターをギャラリーの方に投げたことがあったそうです。結局その試合は優勝したのですが,家に帰る車の中で両親からは何の祝福もなく,父親からは,「もしまたクラブを投げるのを目撃したら,他のゴルフトーナメントには絶対に出させない。」と叱られ,諫められて目が覚め,それ以来パーマーは一度もクラブを投げたことはないそうです。