ちょっと前に大寒を迎えたばかりというのに,もう春一番が吹いた地域もあるようですね。だんだん暖かくなり,そしてだんだんと日が長くなる,こういった感じが割と好きです。
さて,新年早々に皆様にお勧めした「東京裁判で真実は裁かれたのか?-パール判事の日本無罪論(判決書第4部)を現代に問う」(都築陽太郎著,飛鳥新社)という本をとうとう読破いたしました。東京裁判で堂々と,そして緻密に,そして極めて説得的に無罪論を展開したパール判事の洞察力,慧眼には驚かされます。改めて申し上げます。この本は,日本国民をいわゆる東京裁判史観(自虐史観)から覚醒させ,真実への到達に裨益する本です。日本国民必読の書と言えるでしょう。さあ,みなさま,早速書店へ!
ただひとつ難点を申し上げますと,この本で引用されているパール判決書も著者である都築陽太郎さんの翻訳にかかるものですが,はっきり申し上げて読みづらい部分が少なからずあります(苦笑)。何度も何度もその文章の趣旨を考えなければならない,推測しなければならないという面があります。所詮,日本文と英文とでは文章の組立方や構文が違いますし,これは翻訳者の都築さんの誠実さの現れかも知れませんが,ほぼ直訳に近くなっているようです。やはり読みづらいのです。せっかくのパール判事の明確な論旨展開があり,その趣旨,意図が読者に伝わってなんぼですから,もう少し大胆に意訳をしてもよかったのではないかという面もあります。ですから,実際のパール判決書の翻訳文献に当たる時は,私は大意がくみ取りやすい他の文献に依ろうと思います。
でもこの本は大変な労作ですよ。一読に値します。
読書の話のついでに,今度は先日途中で読むのをやめてしまった本もあります。私は昔々,NHKラジオの「朗読の時間」という番組で内田百閒の作品を聴き,独特の世界,雰囲気をもった作家だなと感心したものです。いずれは内田百閒の作品を読んでみたいものだと思っていたのですが,たまたま新聞の書評で「第一阿房列車」(新潮文庫)という本を手に入れましたので,早速読んでみました。こういうのが好きな人もいるんだろうな,良い本なんだろうなとは思いましたが,結局は2,3ページ読んで止めてしまいました。少なくともこの文体や斜に構えたような論調についていけなかったのです(笑)。まあ,長い人生,いろんなことがありますわ。
さて,本日のタイトルは「雑感」ですから,取り止めのない話が続きますが,プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手は本当に凄いですね。とうとう世界ランク1位ですか。あの全米オープンを制したと思ったら,今後は全豪オープン優勝の栄冠にも輝きました。大したものです。
少し気になっているのは,彼女は現在のところ二重国籍で,アメリカ国籍と日本国籍を有していますが,選手登録は日本です。しかしながら,日本の制度(国籍法)では,現在21歳の彼女の場合,22歳までにアメリカ国籍を選択するか,あるいは日本国籍を選択するかの判断を迫られるのです。アメリカ国籍を選択する場合には,日本国籍を離脱しなければならないことになり,日本国籍を維持する場合には,アメリカ国籍を離脱するか,あるいは日本国籍の選択宣言を行い,あとはアメリカ国籍の離脱努力をしなければならないことになります。
彼女にとっては酷な判断を余儀なくされるのかもしれませんが,果たしてどうするのでしょうか。でもどちらにしても,素晴らしいプレーヤーであり,愛すべきキャラクター,メンタリティーを有している人であることに違いはありません。