予報どおりだったとはいえ,今朝起きたら雨でした。傘を差しながらの徒歩通勤でしたが,私はこの春雨というのが嫌いではありません。寒々としてはいませんし,むしろしっとりとした風情があります。
事務所内の私の机の片隅には,とうの昔に読んでしまった本が山積みされているのですが,その中に偶然,「春雨物語」(上田秋成著,角川ソフィア文庫)という本がありました。上田秋成といえば「雨月物語」が有名ですが,確かに「雨月物語」は素晴らしい作品です。でも,大正期には芥川龍之介,谷崎潤一郎,佐藤春夫が鼎談し(「あさましや漫筆」),「雨月物語」を真似ることはできても,「春雨物語」はとても及ばないという意味で,「雨月物語」以上の評価がなされたということもございます。
上田秋成の素晴らしい才能は言うまでもありませんが,一方,同時代に生きたあの「古事記伝」の本居宣長の業績や学問に対する真摯な姿勢は敬服に値します。その本居宣長と上田秋成との間で,いわゆる「日の神論争」として激論が闘わされたことは有名です。この激論に関しては,確かに上田秋成の方が合理的,そして論理的であり,今はやりのディベートとしての評価でしたら,秋成の方に軍配は上がるでしょう。でも,私はこの論争では心情的には宣長に与したい。やはり,「漢意(からごころ)」を排し,「やまとごころ」を称揚しようとした宣長の方に強いシンパシーを覚えるのです。評論家小林秀雄が述べるように,この論争については,合理性を追求する現代人としては秋成に軍配をあげつつも,それだからといって古学者宣長の学問の優秀性に疑いはないのです。
さて,さて,名古屋グランパスは一体全体どうしちゃったのでしょうか。春の珍事という訳でもないでしょうが,開幕2連勝で,あろうことか18チーム中首位に立ってしまっています(笑)。昨シーズンは失点の多さは最下位タイだったのに,2試合を終えて未だ失点ゼロです。
まだまだ今シーズンの名古屋グランパスの評価をするのは早いでしょうが,試合を観ている限り,明らかに昨シーズンと違うのは,厳しいチェックをし,素早くプレスをかけ,相手選手に好きにさせない意識が徹底しているということです。そう,守備の意識です。以前から私がくどいほどに指摘していたことです。まるで私の忠告が誰かを介して風間監督に伝わったかのようです(笑)。それにしてもオーストラリア代表のランゲラックというゴールキーパーは本当に素晴らしい。この貴重な選手は絶対に手放してはなりません!
そして,どうでしょう。我が栄光の読売巨人軍。今年のジャイアンツは強いですよ,ホントに(笑)。補強に成功したと見ています。そして,今年は少なくともセ・リーグのペナントは獲得するでしょう。今から開幕が楽しみで仕方ありません。